元官僚46歳「夏に稼ぐスキー場」を生んだ逆転人生 「100のテレビ番組で紹介」仕掛け人の大胆発想
転機は2016年にさかのぼります。
2014~2015冬シーズン(2014年12月~2015年3月)、2015~2016冬シーズンと2年連続の記録的な小雪のシーズンを過ごし、2010年以降は安定的に12万人程度だった来場者数も、7万人台まで激減してしまいました。一気に赤字へ転落し、スキー場として生き残っていけるのかの大ピンチがやってきたのです。
この苦境は一過性とは限らないように思われました。今後も小雪のシーズンがやってくる可能性は高く(実際、2019~2020冬シーズンは以前に輪をかけて極端な小雪のシーズンとなりました)、来場者数を底支えしてくれている海外からのスキーヤーも世界情勢が変われば来なくなるリスクもある(実際、2020年からのコロナ禍でこの危惧は現実のものとなりました)。
国内のスキーヤーの数が激減している中、スキー、スノーボードのメイン客層である若者の数が減ることも明白です。白馬岩岳は白馬の中でも標高が低く、スノーシーズンが短いというハンデもありました。
どう考えても、冬の数カ月で稼ぎ、夏は開店休業のビジネスモデルには、早晩限界が来るようにしか思えません。そこで私たちは、事業モデルの転換を決意します。
アイデアを矢継ぎ早に投入し「夏に稼ぐスキー場」誕生
2016年に戦略の転換を図って以降、白馬岩岳では2017年のMTBパーク開業を手始めに、立て続けにグリーンシーズンの魅力増強に向けた取り組みを続けています。
2019年 Snow Peakが監修した快適アウトドア空間「岩岳グリーンパーク」
2020年 最大5時間待ちの大ヒットとなった大型ブランコ「ヤッホー!スウィング」
2021年 国内初のドイツ製アクティビティ「マウンテンカート」
2022年 表参道や京都嵐山で大人気のスコーン店が出店し1日の最多来場数を更新した展望エリア「白馬ヒトトキノモリ」
ほかにもさまざまな取り組みを同時多発的に仕掛けた結果、2016年には2万5000人程度だったグリーンシーズン(4~11月)のお客様の数が、2021年には13万4000人を突破しました。2022年には19万人に迫る勢いです。
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