欧米のリーダーには、アウトオブボックスのジェスチャーをする方が大勢います。一方で、聞き手の人数や文化的背景によっては、大げさ、派手、やりすぎにも見えてしまいます。「インボックス」の範囲内で左右対称。これが日本人にも信頼感を喚起しやすいジェスチャーの基本です。
「セルフ・パペット」1日にして成らず
ここまで「身体マネジメント」の主なスキルを紹介してきました。これらのスキルは、実践すればすぐにできるようになるかというと、残念ながらそれほど簡単ではありません。人前で話すときの身体の動きは、ほぼ無意識で行われているからです。
まずは、自分にどのような身体的動きの癖があるかを把握したうえで、直すべき箇所を意識することから始めます。これらは自分の姿を動画撮影して、何度も見ながら客観的に分析すると傾向が見えてきます。心理学でいう「モニタリング」です。
実際のスピーチトレーニングの現場では、私がクライアントの癖を分析し、悪い癖と残すべき癖に仕分けします。
そして悪い癖に該当する身体表現、つまり、名乗りながらまばたきをしてしまう、とか、手のジェスチャーが止まらない、など望ましくない身振りをするたびに繰り返し指摘します。
このような、いわばスパルタ式のモニタリングを一緒に繰り返し行います。
削除したい無意識の動きは、平均的には3カ月程度でなくなります。そうした後に、左右対称のジェスチャーなど新しく取り入れたい動きを加えていきます。
こうした二人三脚のトレーニングを通して、ようやく自分の意図したとおりに「セルフ・パペット」を操ることができるようになるのです。
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