話が上手な人は「身体」の使い方をわかっている 信頼感を得られる「ジェスチャー」はコツがある

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(画像:最強リーダーの「話す力」)

欧米のリーダーには、アウトオブボックスのジェスチャーをする方が大勢います。一方で、聞き手の人数や文化的背景によっては、大げさ、派手、やりすぎにも見えてしまいます。「インボックス」の範囲内で左右対称。これが日本人にも信頼感を喚起しやすいジェスチャーの基本です。

「セルフ・パペット」1日にして成らず

ここまで「身体マネジメント」の主なスキルを紹介してきました。これらのスキルは、実践すればすぐにできるようになるかというと、残念ながらそれほど簡単ではありません。人前で話すときの身体の動きは、ほぼ無意識で行われているからです。

『最強リーダーの「話す力」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

まずは、自分にどのような身体的動きの癖があるかを把握したうえで、直すべき箇所を意識することから始めます。これらは自分の姿を動画撮影して、何度も見ながら客観的に分析すると傾向が見えてきます。心理学でいう「モニタリング」です。

実際のスピーチトレーニングの現場では、私がクライアントの癖を分析し、悪い癖と残すべき癖に仕分けします。

そして悪い癖に該当する身体表現、つまり、名乗りながらまばたきをしてしまう、とか、手のジェスチャーが止まらない、など望ましくない身振りをするたびに繰り返し指摘します。

このような、いわばスパルタ式のモニタリングを一緒に繰り返し行います。

削除したい無意識の動きは、平均的には3カ月程度でなくなります。そうした後に、左右対称のジェスチャーなど新しく取り入れたい動きを加えていきます。

こうした二人三脚のトレーニングを通して、ようやく自分の意図したとおりに「セルフ・パペット」を操ることができるようになるのです。

矢野 香 国立大学法人長崎大学准教授・スピーチコンサルタント

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やの かおり / Kaori Yano

専門は、心理学、スピーチ・コミュニケーション論。NHKでのキャスター歴17年。おもにニュース報道番組を担当し、番組視聴率20%超えを記録。NHK在局中から心理学の見地からスピーチ研究に取り組み博士号取得。政治家の選挙演説対策、大手企業の株主総会対策、役員候補者研修などエグゼクティブからビジネスパーソン、学生まで幅広い層に指導を続けている。話し方・表情・動作のトータルな指導に定評があり、過去の受講者にはプロの話し手も多数。

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