ゼネコンが中国で苦汁、アジア新天地にも障壁


 理由は単純。重工・重電メーカーは現地競合がいないうえ、機械類を納入して稼働させるのが仕事。ところが建設会社は土地造成から資材調達まですべて現地で行わなければならない。地の利がある現地建設企業に加え、海外で実績豊富な中国や韓国の大手ゼネコンとの競争入札となれば、太刀打ちできないのが実情だ。「日系ゼネコンが入り込む余地は、トンネルのシールド掘削や原子炉のコンクリート打設、耐震工法といった技術優位性が認められた工事に限定される」と断言する関係者もいる。

大型案件はリスクにも 中東、北アフリカの教訓

大手ゼネコンは中東、北アフリカで相次ぎ大型土木工事を進行中だ。下図のように、06年度、07年度の海外建設受注高が過去最高水準だったのは、ドバイ都市鉄道(受注総額2300億円)やアルジェリア高速道路(同5400億円)など世界最大級のプロジェクトを共同で受注したから。が、その後これら工事の見通しの甘さが“あだ”となって09年度に大林組が営業赤字に転落、今10年度は鹿島と大成建設らが巨額損失を計上するリスクにさらされる。

大手ゼネコン各社が1万5000人前後の従業員数を維持したまま生き残るには、海外に出て行って国内の大型案件目減りを補う以外に道はない。だが数年後、中東などの不採算工事にメドが立った後、ベトナムなど新天地のインフラ整備に海外事業の軸足を移すことができるのか。現地や海外企業との競争や商習慣の違いなど障壁が立ちはだかる中、厳しい前途が予想される。

◆大林組の業績予想、会社概要はこちら

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(古庄栄一 =週刊東洋経済2011年3月19日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。写真はイメージです。本文と関係ありません。
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