ゼネコンが中国で苦汁、アジア新天地にも障壁

中国事業を断念し、上海現地法人を近く閉鎖--。ゼネコン大手の大林組が中国事業撤退を決めた。上海万博で「日本産業館」建設を手掛けるなど現地展開に意欲的と見られていた矢先の方針決定。現地法人設立からわずか8年での清算はいかにも唐突に映る。

日中外交がギクシャクし、民主化デモや不動産バブルといったリスクが高まっている時期だけに、「先を見越して退散した」との見方が産業界に広がった。が、当の大林組は「以前から撤退の方向で準備していた」と淡々。競合も「将来性に見切りをつけ、ほかの有望な海外市場を優先するのでは」と驚く様子はない。

撤退の背景にあるのは、中国でゼネコン各社に課せられた厳しい規制だ。たとえば1件当たりの契約上限価格は現法の資本金の5倍までしか認められない。また「特級」から「3級」まで資格が分けられており、これによって請け負える工事の規模が決まる。2級の大林の場合、日本円で13億円程度の物件(高さ120メートル、延床面積12万平方メートル)が上限。一方、最低100名の技術者は雇わないと資格要件を満たさないから、人件費がつねに利益の圧迫要因となる。大林は現地で50億円の受注目標を掲げていたが、これには遠く及ばなかったようだ。進出の歴史が深い鹿島や清水建設、竹中工務店、フジタは、倍の100億円程度の年間受注高があるが、それでも採算は厳しい。


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