続かないと悩む人は「一貫性の罠」にハマっている あらゆる過去を「伏線」に変える最強の思考法

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言い換えるならば、自分の置かれている現在地が、自分の成長過程ではなく、他者との相対として可視化され、つねに人と比べられる状況にあるのだ。その結果、早いタイミングで他者と比較する意識が強くなりすぎ、つねに「自分なんてまだまだ」と思い続けることになる。

しかし、言うまでもなく、好きなことは誰かと比べるようなものではない。自分が好きなら好きでよく、誰かから評価や判断、比較される必要などない。得意なことも同じである。自分が「世界で最もできる人」である必要などなく、自分の中での満足感や納得感さえあれば十分である。これ以上、メタ認知が上がりすぎてしまうと、この世界から趣味という概念は消え去ってしまうかもしれない。

才能も同じである。とくに才能は、量で語ることはできず、個性や特色といった質も大いに影響する。そのため、才能こそ他者と比較するものではない。

そこで、提案したいことがある。それは、取り組んできた具体的な行動だけで自分を評価しないことである。やってきたことに一貫性を求めたり、その熟練度や期間によって自分を判断するのは不毛なだけでなく、自己否定を生み出す危険を伴うからである。

その代わり、具体的な行動を中心に、その前後に存在する「きっかけ」と「学び」をセットとして振り返ることを強く推奨したい。経験とは行動そのものだけではなく、きっかけ・行動・学びがセットとなったものであり、その集積によって人生が構成されているからである。

目に見える行動ばかりに気をとられてしまうのは仕方ないかもしれないが、目に見えない、自分の中に生まれたもののほうが重要であり、血肉として残っていく。

「学び」と「きっかけ」によるらせん状のつながり

そこで注目したいのが、経験によって生まれた学びが、新たなきっかけとなって、新たな行動を生み出す有機的なつながりである。外から見ると、やっていることはバラバラに見えるかもしれないが、自分の中では無意識のうちに学びときっかけがらせん状につながり、歩みを進めているのだ。

経験を縦軸に置き、下から「きっかけ」「行動」「学び」とする。そして、横軸に時間を置き、時系列の順に「過去」「現在」「未来」を並べる。すると、9マスに並べた要素からきっかけと学びによるらせん的なつながりが浮かび上がってくる。

新刊『きみの人生に作戦名を。』では、この9マスを用いたフレームワークを「9マス思考法」と名づけ、自分軸を見出す方法として提示している。このらせん状のつながりは無意識のうちに行われていることが多く、意識を向けない限り気づくことは難しい。

(画像:『きみの人生に作戦名を。』)
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