「舞いあがれ!」絶賛子役⇒福原遥の絶妙リレー  あの「まいんちゃん」がNHK朝ドラで大人の俳優に

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NHK朝ドラ『舞いあがれ!』の主人公・岩倉舞を演じる福原遥さんと幼少期の舞を演じた浅田芭路さん
NHK朝ドラ『舞いあがれ!』の主人公・岩倉舞を演じる福原遥さん(左)と幼少期の舞を演じた浅田芭路さん(画像:YouTube「NHK」公式チャンネルより)

“朝ドラ”こと連続テレビ小説「舞いあがれ!」(NHK総合)が第4週まで来てムードががらりと変わった。第3週までは主人公・岩倉舞の子供時代が描かれ、第4週からは10年のときを経て、主人公が18歳に成長したからだ。ヒロイン・福原遥の登場で、いよいよここからが本番。大学生になった舞(福原)は飛行機を作る夢に向かって人力飛行機のサークルに入部する。

だが、子供時代、五島列島の自然のなかでの祖母(高畑淳子)とのまるでジブリアニメのような心あたたまるエピソードに癒やされてきた視聴者にとって、大人に成長して現実感が増すとどうにも子供編が恋しくなってしまう。

子供編延長待望論があがっている

かつて子供編はあくまでプロローグと考えられていた。朝ドラは主としてヒロインが自己実現のために奮闘する物語である。子供時代をなぜ描くかといえば、主人公のバックボーンを見せるため。どこで生まれてどんな環境で育ったか、それがのちの主人公の生き方に影響を及ぼす。

一般的にはその導入部よりも、主人公が具体的に活躍する本題が見たいもので、そのため子供時代は1ないし2週間と短めに設定され、さらに第1話であらかじめ大人編の主演俳優が登場するというような工夫がされてきた(「舞いあがれ!」でも第1話の冒頭は福原遥が登場している)。

ところがこの数年、子供編延長待望論があがっているのだ。というのも、子役の芝居が大人顔負けに見事で、視聴者を虜にしてしまうからだ。

「舞いあがれ!」で浅田芭路は、幼少期の舞の重要な転換点を演じた。筆者が参加した熊野律時チーフプロデューサーの取材会で浅田はこのように称賛されていた。

「幼少期は舞の出発点で、他者の気持ちをかなり敏感にわかってしまうがために思っていることを言いだせず、なかなか行動にも出せないという悩みを抱えていた舞が五島で過ごすことで少しずつ変わっていきます。元気で明るいだけではないヒロインの心がいろいろな人たちの関わりのなかで開かれていく。つらさと明るさを行ったり来たりする表現を幼少期でやるのはかなり高度なことで、浅田さんは抜群にチャーミングな笑顔と悩む顔を両方できる方だと思ったのでお願いしました」(「CINEMAS+ MAGAZINE 」より)

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