ツイッターを複数使い分ける、若者の本音

さとり世代に「二十面相」が増加中?

彼は、このアカウントでは「お気に入り」と「リツイート」を多くもらうことを目的としているという。大量につぶやいているうちに、いつの間にかフォロワーが増え、半数以上は会ったことのない人だそうだ。

一方で、Aくんはもうひとつのアカウントを持っている。こちらが、いわゆる“裏アカ”だ。私的なことをつぶやくミニ日記のようなもので、親しい友人にしか知られたくないことや、自分の近況について、本音でつぶやいている。たとえば、Aくんは仮面浪人をしているのだが、これに関することは、この本音アカウントでのみつぶやいている。

あくまで日記なので、関係の薄い人、ましてや知らない人に見られたら恥ずかしい、と限られた人のみに公開している。

本音アカウントはフォロー数が80、フォロワー数は77と、メインのアカウントに比べて圧倒的に閲覧する人数が少ない。だが、こちらはより多くの人に見てもらいたいメインアカウントと違い、親しい友達だけに見せたいクローズな場なので、数は少ないほうがいい、と彼は言う。当然、フォロワーは全員が会ったことがある親しい人だという。

Aくんがこの裏アカを作った理由は、メインアカウントが使いづらくなったことにあるようだ。メインアカウントが知らない人にもフォローされ、フォロワーが増えたのはいいが、いつの間にか個人的なことがつぶやきにくくなり、吐き出したい心情など本音をつぶやく場所が別に欲しくなったのだそうだ。

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メインアカウント(左)と、本音アカウント(右)の比較。メイン(左)が笑いを取りにいく大衆向けのつぶやきなのに対して、本音アカウント(右)では、自らの秘密である仮面浪人に関するつぶやきをしている

「王様の耳はロバの耳」という寓話があるが、まさにその物語における「穴」の存在が、A君にとっては裏アカである本音アカウントなわけだ。

知らない人たちにたくさんフォローされ始めた段階で、私的な日記やブログに本音を書くという方法も思い浮かんだそうだが、やはり、そのときその場で思ったことをさっとつぶやけるツイッターで本音を書くほうがしっくりくると思ったのだそうだ。

親しくない人に知らせる、カモフラージュアカウント

また、“カモフラージュアカウント”を持つ若者も存在する。Bくんは、宮城県の大学に通う3年生で、大学入学とともに地元を離れ、ひとり暮らしをしている。

Bくんは高校卒業とともにアカウントを作成した。フォロー数は187、フォロワー数は121で、アカウントにはカギをかけている。つぶやく内容としては「レポート終わった!」といったごくありふれた日常のこと、「高槻さんかわいい( ^ω^ )」というような趣味のアニメキャラに関すること、そのほかリプライによる友人とのやり取りなどと多岐にわたり、比較的気を使わずにつぶやいている。

一方で、Bくんの持つカモフラージュアカウントというのは、知り合ったばかりの人や微妙な距離感にある友人など、自分のアカウントをあまり教えたくない人に対して差し出す、言わば「捨てアカウント」のことである。

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