トヨタ式「紙一枚」で問題を解決するスゴい技 「見せて伝える文化」がしっかり根付いている
今でこそ「紙1枚」を自分の代名詞として仕事をしていますが、当時の私の正直な印象としては、「これが有名な“トヨタのA3”か!」と感激はしつつも、「A3サイズの資料なんて学生時代は一度も見たことがなかったし、つくるのも大変だから、これは研修レポートのときしか使わない代物なんだろうな」と感じていました。
ところが、研修後に配属先で実際に働いてみると、その認識は一変しました。
実際、日常的な資料はさきほどの図版の上部にあるようなA4サイズが大半でしたし、研修で習ったTBPの8STEPに沿ったフォーマットをそのまま使っている人は、実際ほとんどいませんでした。一方で、情報量が多いテーマについては、A4ではなくA3サイズの資料もたしかに存在していたのです。
たとえば、部の年度方針をグループごとに一覧でまとめたA3資料。あるいは、グループ員のスケジュールを2カ月分記載した業務スケジュール。さらには、部署の予算消化の状況をまとめた月次の管理表、等々。
他にも、多くの部署が関わるような大規模プロジェクトの企画書なども、A3で作成されているケースが多々ありました。
「見せて伝える」を根っこにした文化が根付く
いずれのサイズにせよ、あるいはどんな規模の業務にせよ、その共通点は「紙1枚」による可視化にあります。口頭ではなく、「見せて伝える」を根っことした視覚的なコミュニケーションスタイルが、たしかに文化として根づいていたのです。
トヨタには「カイゼン」と並んで有名な用語として「視える化」というキーワードがあります(これで「みえるか」と読みます)。
オフィスワーカーにとっての「視える化」とは、「紙1枚」資料を日々ビジュアル・エイドとして作成し、コミュニケーションを視覚化することだったのです。
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