ハッピーターンの"魔法の粉"その知られざる進化 ローソン「からあげクン」とのコラボも

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なお、熱狂的なパウダーファンから「パウダーだけを売ってほしい」という声もあるが、「煎餅とパウダーがセットになってのハッピーターンなので、パウダーだけを販売する予定は当面ありません」という。

食シーンを広げるために、砕いてたまごサンドの具にしたり、お好み焼きソースと青のり、マヨネーズをかけてお好み焼き風にしてアレンジしたり、あんことホイップクリームをトッピングしたりとさまざまな食べ方を提案している。

池ノ上さんは「旨味と塩辛さもあるので、おつまみ、ご飯の具など新しい楽しみ方を提案したい」と話している。

ローソンとのコラボ、ハッピーターン"風"に苦心

2022年5月にはコンビニエンスストア大手のローソンとのコラボを開始。「からあげクン」や「Lチキ」をはじめ菓子、チルド飲料、カップ焼きそばなど計6種類の商品を発売した。SNS上では驚きの声が広がった。

なおすべてのコラボ商品にパウダーが使われているわけでなく、あくまでハッピーターン“風”だったため、開発にはとても苦労したという。からあげクンは衣の品質を変えずにハッピーターンの「甘じょっぱさ」を再現するのが難しく、Lチキはサクッとした食感にパウダーが舌にとろけるようなジュワッと感を出すのが大変だったそうだ。

ハッピーターンはテレビ局の楽屋などにも置かれているという。理由はハッピーターンの名前の由来のとおり「またこの楽屋に戻って来られる、仕事が安定的にやってくる」という願掛けの意味が込められているそうだ。

パウダーキャッチ製法をはじめとした目に見えづらい所の地道な進化や、人それぞれの楽しみ方の提案など、ロングセラーになる商品には愛される理由がたくさんあることを、ハッピーターンは教えてくれている。

福井 求 ライター

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ふくい もとむ

1993年生まれ。三重県出身。関西の国公立大学に進学し、文化人類学・セクシュアリティの分野を専攻。卒業後は大手印刷会社、出版社勤務を経てフリーのライターに。主に会社へのインタビューを中心に行い、ビジネス系やセクシュアリティ、ジェンダーに関する記事をメインに執筆中。またWeb記事専門の編集プロダクション・合同会社にげば企画を運営。趣味は女装と映画鑑賞。特技はメイクとスペイン語。

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