「創価学会」が巨大教団となり得た「超戦略」の中身 なぜ韓国では「新宗教」が伸びなかったのか

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最近の国政選挙では、選挙区の区割りが頻繁に変更され、かなり複雑な形になっていますので、従来とは違いますが、以前は、創価学会の支部やブロックは、選挙区に対応する形になっていました。今でもそうしたところはいくらでもあります。

政界に進出した時点で、大胆な組織の変更をしたことは、その後を考えればかなり重要なことでした。横線でつながることで、それぞれの地域に創価学会の会員のネットワークが広がることになったからです。

これは、創価学会ほど多くの会員を抱えるからこそできたことですが、地域の会員は支部長やブロック長の自宅で開かれる座談会に集まり、また地域の会館に集まって集いを行うようになりました。本部幹部会の中継も、それぞれの会館で視聴するようになりました。

同じ地域の会員同士は顔見知りですから、たとえば、その地域に会員の店があれば、そこでモノを買うようになります。あるいは、地域が同じなら、頻繁に相談事もできます。このことは、創価学会が巨大教団に発展していくことにも寄与しましたし、教団を維持していくことにも貢献しました。信者同士の線による関係が、地域という面の関係に発展していったのです。

中国・韓国ではキリスト教信者が激増

中国でも、経済が発展するなかで、「法輪功」のような集団が生まれました。法輪功は気功が中心ですが、教祖にはカリスマ的な人気があり、急速に拡大し、共産党の幹部にも信者が生まれました。そこで中国政府は、法輪功を厳しく弾圧するようになったのです。

また、経済発展が続く中国では、キリスト教も信者を増やしてきています。これは、公認されたキリスト教ではありません。「地下教会」や「家庭教会」と呼ばれる非公認のキリスト教で、中国政府はくり返し取り締まりを行ってきましたが、法輪功の場合とは異なり、全面的に禁止するまでには至っていません。すでにその勢力がかなりの規模に拡大してしまっているからです。

経済発展によってキリスト教が拡大する先例としては、韓国の場合があげられます。韓国では、1960年代に「漢江の奇跡」と呼ばれる急速な経済発展が起こります。それに伴って、都市化が進み、韓国の場合には特に首都ソウルへの一極集中という事態が起こりました。

それがキリスト教の信者を拡大することに結びつき、現在では国民全体の30パーセント程度がキリスト教徒であるとされています。たしかに、韓国に行ってみると、教会がたくさんありますし、自分はキリスト教徒だという人物によく出会います。

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