クロストレックは、e-BOXER搭載による重量増というネガティブさを感じさせず、またスバルの真骨頂である水平対向エンジンによる低重心と、左右対称のシンメトリカルAWDの良さが、さらにうまく引き出されていると感じた。
今回から設定されたFWD(前輪駆動車)にも試乗してみると、当然ながらAWD車より車量重量が軽い分、動きに軽快さがある。
ハンドリングは、AWD車に比べて直進安定性を強めに設定している印象だ。コーナーでは、AWD車のようなじんわりした旋回性を求めると、ハンドルの切り角を“やや多め”にする必要があったが、全体としては扱いやすい。
それから、スバルがクロストレックから強化した「医学的アプローチがもたらす快適な乗り心地」という観点でも、動的質感の向上を実感できた。
具体的には、ボティのルーフの共振から生じる音の収束性の向上や、頭部のゆれを抑えるシート設計など、三半規管や体感に対する改良のアプローチが、クルマ全体としての質感を上げているのだ。
アイサイトも“よりアクティブ”に
今回の試乗では、予防安全技術「アイサイト」について実体験する機会はなかったが、クロストレックには、従来のステレオカメラに加えて、アメリカで先行採用されていた広角単眼カメラを国内向けとして初めて採用している。
アイサイトは、人間の目と同じ原理によって、2つのカメラ(ステレオカメラ)が前方の人や車と自車との距離を判断し、画像認識技術によって物体の属性を検出するシステムだ。新たに採用した単眼カメラは、ステレオカメラより広角のため、低速走行時に歩行者や2輪車の認識で優れた性能を発揮する。
スバルが示した「制御のイメージ」では、まず広角単眼カメラの画像から認識処理を行って、その情報をアプリケーションに送り、さらにドライバーへの警報要求やブレーキ要求の情報をアイサイトに送る仕組みとなっている。
アイサイトについても、“よりアクティブ”な制御が加わったというわけだ。その実力は今後、クロストレックの公道試乗の際に詳しく感じ取ってみたい。
スバル「クロストレック」は2022年9月15日に日本発でワールドプレミアされ、日本国内での受注は2022年11月開始予定となっている。2代目XVが好調だっただけに、クロストレックも“売れる車”になるのではないか。
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