スバル「フォレスターSTIスポーツ」追加の真意 モータースポーツ発信のプレミアムグレード
世界的なSUV(スポーツ多目的車)人気のなかで、スバルを牽引する車種である「フォレスター」に今夏、STIスポーツが車種追加された。このフォレスターに追加されたSTIスポーツというグレードについて、スバルは暮らしのなかでの日常的な利用において、運転者とクルマとの一体感をより高めた車種であるという。
ツーリングワゴンからSUV、フォレスターの歴史
フォレスターは、1997年に初代が誕生した。
スバル(当時は富士重工業)は、早くから乗用車での4輪駆動(4WD)を実用化し、1980年代の「レオーネ」からツーリングワゴンという価値で時代を築いてきた。さらにレオーネの後継である「レガシィ」の中で、ツーリングワゴンの地上高を上げた「アウトバック」(国内では当初グランドワゴンを車名とした)が1994(北米)~1995年(日本)に発売され、悪路走破性を兼ねたワゴン車の価値で先行した。このため、初代フォレスターの発売は1997年からとなる。しかも当初は、SUVというよりステーションワゴンの延長線というつくりであった。
本格的なSUVの価値を提供したのは、2002年の2代目フォレスターからといえるだろう。そして2007年の3代目から大きく進化し、人気も高まった。ここからSUVとしての機能が充実していき、2012年の4代目では、X-MODE(エックス・モード)と名付けたヒルディセントコントロールを備える悪路走破技術が強化され、現行の5代目でX-MODEはさらに進化し、電気自動車(EV)の「ソルテラ」とトヨタ「bZ4X」でも採用されている。
一方、ドイツのSUVは、BMWの「X5」をはじめ、ポルシェ「カイエン」などのように、SUVでありながらサーキット走行もできるほどの高性能車が現れ、必ずしも未舗装路でのたくましさや、それを印象づける外観だけがSUVではないといった価値観が加わった。アメリカでは、外観はSUV風だが2輪駆動(2WD)の車種も加えられ、セダンやハッチバックにかわってSUV気分を味わえればいいという志向も現れた。
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