レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退 盤石の人気を誇るが電動化の後れは気になる
スバル・レヴォーグがフルモデルチェンジで2代目となった。初代レヴォーグの発売は2014年。それまでスバルの中核を担ってきたレガシィの車体寸法が大きくなりすぎ、国内の交通事情に合わなくなったことで、代替モデルとしてワゴン専用車「レヴォーグ」が開発されたという背景がある。
10月15日にデビューした新型レヴォーグは、先進安全/スポーティ/ワゴン価値を大きく進化させた。発売以来、人気を博しているレヴォーグは、流行りのミニバンやSUVに対抗している唯一の国産ステーションワゴンといえるだろう。なぜ、ステーションワゴンはレヴォーグ1強という状況になったのか、そこからステーションワゴンの衰退について考察する。
最初に新型レヴォーグで強化されたポイントをおさらいしておく。スバルの先進安全と言えば、運転支援機能「アイサイト」だ。新型レヴォーグでは、従来型のアイサイトを進化させた新開発の高度運転支援システム「アイサイトX」を搭載する。
新たに広角のステレオカメラ(フロントウィンドウ上端に設置された左右2個のカメラ)と、3D高精度地図やGPSに加え準天頂衛星(みちびき)を採用し、見通しの悪い交差点などでの衝突回避や、車線維持機能の向上と自動車専用道路上で渋滞時のハンズオフを実現したことは大きなトピックだ。
スポーティについては、スバル独自の水平対向4気筒ガソリンエンジンを新開発し、動力性能・燃費性能ともに改善。2016年にモデルチェンジをしたインプレッサから採用しているスバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)もようやく投入でき、操縦安定性と乗り心地の両立に貢献している。
ワゴン価値については、パワーリアゲートを新採用し、大容量のサブトランクを設けるなど、使い勝手をより高めた。
少ない競合車と堅調な受注台数
スバルは、レガシィでもステーションワゴンを中心に人気を集めた。その価値を国内用として受け継いだレヴォーグ(レヴォーグに4ドアセダンの設定はない)は根強い支持層があり、8月20日の事前予約から正式発表の10月15日まで約2カ月弱で、8290台に及ぶ受注をしたという。初年度販売計画は月販2200台であり、その2倍近い台数(事前受注合計は約2カ月であったため)に達したことになる。
ところで周囲を見回してみると、レヴォーグのようなステーションワゴンの日本車は、トヨタのカローラフィールダーやホンダのシャトル、そしてマツダ6くらいしかない。かつては、クラウンやセドリックなどにもステーションワゴンがあり、その時代は4ドアセダンも堅調だった。
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