レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退 盤石の人気を誇るが電動化の後れは気になる
1994年にホンダ・オデッセイが登場してミニバンブームとなり、それから約20年が過ぎて今はSUV(スポーツ多目的車)ブームだ。その25年ほどの間に、セダンとステーションワゴンが数を減らした。ステーションワゴンは、大人5人と荷物を積んで遠出のできるクルマとして永年重宝されたが、その価値がミニバンやSUVに取って代わられたのである。
一方で欧州車は、セダンとステーションワゴンが根強い人気を保っている。もちろん、SUVも販売台数を増やしているが、それによってセダンやステーションワゴンが廃れてしまうことはない。あくまで中核は、セダンとステーションワゴンの構図がある。
欧州から見るステーションワゴンの存在価値
ドイツ車では、メルセデス・ベンツやBMW、アウディなどの中核車種にセダンとステーションワゴンがきちんと設定されている。ドイツには速度無制限区間のアウトバーンがあり、時速200kmを超える速度で移動することもあるので走行性能が優先され、安定性と快適性を両立した背の低いステーションワゴンには、長距離移動を短時間で済ませられるという利点がある。
ポルシェのカイエンやマカン、あるいはBMWのXシリーズのように、高速走行が得意なSUVもあるが、ステーションワゴンのほうが高速道路で安心と考える消費者が多いことも理由だろう。
一方、欧州でも英国やフランスは、高速道路に時速130kmの制限があり、ドイツに比べれば超高速性能にそれほど懸念はなさそうだ。とりわけフランスは夏のバカンスでの長期移動に適したミニバンのようなマルチ・パーパス・ヴィークル(MPV)の人気が昔から高かった。
アメリカは、日本同様にミニバンやSUVへの人気を高める傾向がある。アメリカの制限速度は州によって異なるが、おおむね日本に近い感覚でいいだろう。
ミニバンやSUVという代替車種の登場により、国内のステーションワゴンは数えるほどになった。それでもレヴォーグが新型を迎えられた背景になにがあるのだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら