スバル「フォレスターSTIスポーツ」追加の真意 モータースポーツ発信のプレミアムグレード
フォレスターのSTIスポーツは、そうした変化する時代の要請に合わせた車種追加といえるのではないか。スバルは、今回のSTIスポーツ導入の背景として「お客様のニーズも多様化し、最近ではより走りを楽しめるSUVへの要望もいただいています」と話す。それに応えるため、スバルとSTIの知見を活かし、開発したのがSTIスポーツと言えるだろう。
STIとは、1988年に設立されたスバルの子会社で、スバル・テクニカ・インターナショナルの頭文字をとった名称だ。設立当初は、初代レガシィの優れた走行性能を実証するため、世界速度新記録への挑戦を行い、10万kmの連続走行で平均時速223.345km/hの新記録を樹立した。続いて、WRC(世界ラリー選手権)へ参戦し、1995年から1997年まで3年連続でメーカーチャンピオンを獲得している。
その後は、2008年からドイツのニュルブルクリンク24時間レースに参戦し、排気量2.0Lクラスで6度の優勝を飾るなど、着実な成果をあげている。そこに用いられた技術は、スバルの水平対向エンジンと4輪駆動を組み合わせた独自技術だ。未舗装路だけでなく、舗装路での走りを磨き続けている。
スバルは、このフォレスターSTIスポーツの発売に際し、「モータースポーツへの参戦を通して、これまで培ってきた知見を活かすことで、スバルのスポーツブランドとしてのイメージ向上に寄与している」と、STIの存在価値を語っている。
フォレスターSTIスポーツの変更点
フォレスターSTIスポーツの概要は、日立アステモ(旧ショーワ)製の周波数応答型ダンパーをSTIが適合して前輪側のサスペンションに装備し、カーブを旋回するときは高い減衰によって車体の傾きを抑え、通常は、低い減衰で車体に伝わる微振動を抑え、快適性向上や騒音の抑制を実現する。それにあわせ後輪側サスペンションにも調整を加えることで走行安定性を確保している。舗装路での走行性能を全体的に高めた仕様といえそうだ。
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