「自動運転」ブーム終焉か? 最終準備段階か? 最前線での取材でわかった自動運転のこれから

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クルーズが自動運転の実用化技術で急激に成長していることについて、別のホンダ関係者は「(運輸省、州運輸局、地元警察など)当局との連携をしっかり行い、技術開発のトータルマネージメント能力が優れているから」という見解を示した。

また、投資金額についても巨額であることから、「ホンダが単独ではなくGMと連携することが高度な技術を早期に実用化するためには必然だ」とも指摘する。

東京都心部から実用化を進める点については、「潜在的な利用者数が多い点が重要」という点を強調した。筆者は、タクシー事業という観点で、クルーズ・ホンダは都市部での需要実態を捉えて量産効果を踏まえたうえで、地方の中規模都市へ展開していくと見ている。

ティアフォーの自動運転実験車両でお台場周辺を走行する車内の様子
ティアフォーの自動運転実験車両でお台場周辺を走行する車内の様子(筆者撮影)

また、トヨタの自動運転車である「e-Palette」については、静岡県裾野市に建設中の「ウーブン・シティ」で実装を行う流れのようだが、他の地域で具体的にどのような社会実証を進めるのかについては、詳しい情報が対外的に出てこない印象がある。

一方、地方部や中山間地域については、ティアフォーやソフトバンク系のBOLDLYなどのベンチャーが、すでに各地で行われている実証試験を踏まえて、フランスのNAVYAなど海外製BEV小型バス等を使った自動運転パッケージをトータルコーディネーションする形が、ビジネスチャンスとして考えられる。

資金力にくわえ、既存の新車販売網というインフラがある点で優位な立場のクルーズ・ホンダやトヨタ、さらには横浜や福島での実証を軸に新交通サービス事業を計画している日産に対して、ベンチャー企業がこれからどのように対抗していくのか。カギは、各地の市町村や交通事業者といかに密接な関係性が保てるかだと思う。

BOLDLYがスズキ、遠州鉄道と行った実証試験車両(筆者撮影)

オーナーカーでのレベル3は様子見?

ここまで、タクシーやバスなど公共的な交通機関である領域のサービスカーについて議論してきたが、私たち一般のユーザーが所有するオーナーカーはどうなるだろうか。

レベル3については、ホンダが「レジェンド」に搭載して2021年3月に発売したものの、その後にレジェンド自体が生産終了となっている。また、ホンダは現時点で次のレベル3搭載車の発売を明らかにしていない。

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