「自動運転」ブーム終焉か? 最終準備段階か? 最前線での取材でわかった自動運転のこれから

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続く第2期では、重点項目として仮想空間での安全性評価を行うDIVP(ドライビング・インテリジェンス・バリデーション・プラットフォーム)の事業化、サイバーセキュリティへの強化策、そして自動車の情報を集約したポータルサイト「MD communet」での事業マッチングなどを進めてきた。

SIP-adusのプログラム・ディレクターの葛巻清吾氏が過去9年間の軌跡を紹介する様子
SIP-adusのプログラム・ディレクターの葛巻清吾氏が過去9年間の軌跡を紹介する様子(筆者撮影)

葛巻氏はこれまでの9年間の歩みに対して「2014年頃はアメリカやドイツで自動運転の実用化に向けた動きが加速しており、それに対して日本は一般的に“周回遅れ”と表現されるような状況だった」と2014年頃の社会情勢を振り返った。

そのうえで「この9年間で、国連の国際協調の場で日本がさまざまな議長を務めたり、日本の道路交通法と道路運送車両法が改正されるなどして、(運転の主体を運転者ではなくクルマのシステムが担う)レベル3を世界で初めて量産化することができた」と国家プロジェクトとしての成果を強調した。

世界は今どうなっているのか?

では、現時点(2022年10月上旬)で自動運転の技術やサービスに関して世界の動向はどうなっているのか。

これに対して、技術面では「GM(ゼネラルモーターズ)傘下のクルーズと、Googleのウェイモがツートップ」、また「中国市場は事実上、アンタッチャブル」といった声が聞こえてきた。

クルーズについては、ホンダが2022年9月29日に自動運転モビリティサービス専用車両「クルーズ・オリジン」の日本仕様について開発に関する動画を公開している。

GMクルーズとホンダが共同で研究開発を進める、自動運転サービスカー
GMクルーズとホンダが共同で研究開発を進める、自動運転サービスカー(筆者撮影)

SIP-adus試乗会の現場で、同車両の開発者は「バッテリーなど(BEVとしての基本部品)はGMが主体で開発中」としたうえで、「日本での道路標識や道路環境などへの適合を進めていく」と今後の開発方針を説明した。

今回、展示したGMの小型BEV「ボルト」を使った自動運転車は、2021年9月から栃木県内のホンダの研究開発施設内で走行しているが、2020年代半ばから東京都心部で実用化するのは「クルーズ・オリジン」になる見込みだ。自動運転のレベルについては、ドライバーが運転操作から解放されるレベル4を目指す。

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