投資家に148回「ノー」と言われた起業家のその後 彼女はなぜビジネスをあきらめなかったのか?

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真の起業家は、「ノー」から何を得ているのでしょうか(写真:Zinkevych/PIXTA)
起業に欠かせない資金調達。投資家たちへのプレゼンで手応えがなければ、見通しは厳しいものになる。しかし、リンクトイン共同創業者のリード・ホフマンは、投資家の「ノー」にこそ価値を見出す。
真の起業家は、「ノー」から何を得ているのか。世界中の起業家が注目するポットキャスト「MASTERS of SCALE」発の書籍『マスター・オブ・スケール 世界を制したリーダーが初めて明かす事業拡大の最強ルール』より「ノー」から学ぶ極意を紹介する(3回シリーズ。今回は第1回)。

キャスリン・ミンシューは、ザ・ミューズ(The Muse)というキャリア支援ウェブサイトの共同創設者兼CEOだ。ウェブサイトを立ち上げるアイデアを投資家たちに説明したとき、彼女は立て続けに148回も断られた。

投資家が見逃したビッグアイデア

キャスリンのアイデアは――起業家精神にあふれた多くのアイデアと同じく――自身の体験から生まれたものだ。

10代の頃から国際関係の仕事に憧れ、キプロス共和国の在米大使館に勤務するも、想像していた外務職員のイメージと現実が遠くかけ離れていることに気づき、マッキンゼー&カンパニーに転職、ニューヨーク支社に3年間勤務する。キャリアアップを目指しながら、突然、転職活動というものが期待とは違い、人間性を奪い取るようなものに思えてきた。

「求人情報サイトでキーワード検索したら、ヒット数は5000件を超すほどですが、どれも同じように見えたんです。今からキャリアを積んでいこうというのに、何の示唆もない。就活体験ってもっと違うはずでは、と」

そこで彼女は、マッキンゼーでの元同僚――その後、ザ・ミューズの共同創業者となる――アレックス・カボウラコスを相手にブレインストーミングを始める。

――ユーザー1人ひとりの求職活動を中心に据えたキャリア情報サイトをつくるのはどう?

――応募書類を出す前に、社内の様子をサイトで見られたらいいね?

――求職者が、サイトを通じて専門家に相談できるようにしたら? たとえば給与交渉のやり方とか、管理職に就いた場合とか。

――こういうのって、運がいい人なら身近なメンターや上司に教えてもらえることよね?

お互いの体験をシェアし、ともに何をつくり出せるか思い描くほどに、2人にはチャンスがはっきりと見えてきた。

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