恋愛未経験40代御曹司「成婚できない」ヤバい理由 要求ばかりでついに見合いも組めなくなって…

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「住宅ローンを支払うことを考えたら、年齢的にも早めにスタートしたほうがいいし、二世帯なら親がお金を半分援助してくれると言ってるんだ。数年間でも家賃を払って賃貸に住むなら、新しい家を建てたほうがいい」

そして、これはふみひこの考えというよりも、親の要望なのだというのが言葉の端々から伝わってきた。それがわかるとなおさら、「うん」と言えないはつえがいた。

正装もできない礼儀知らずの女

この話が持ち上がってからというもの、デートをするたびにその話になり、2人の雰囲気もどんどん険悪になっていった。

あるとき、ふみひこの一人暮らしの家で2人でお昼を食べていると、家の話題から、ふみひこの親ははつえをどう思っているかの話になり、そこから大喧嘩になった。ふみひこが嫌味な口調で言った。

「あのさ、はつえちゃん、初めてウチにあいさつに来たとき、セーターを着ていたよね。母親が、『常識ある女性なら正装で訪問してくるはず。親や仲人さんは教えてくれなかったのか』って言ってたんだよね」

その日は、クリーム色のカシミヤセーターにベージュのフレアスカートを履き、パールのネックレスとイヤリングをしていった。はつえとしては、清楚なおしゃれをしたつもりでいた。

「あと、『今どき車の免許を持っていないなんて、親御さんが取らせなかったのか』とも言ってた」

はつえはそれを聞いてうんざりし、語気を荒らげて言った。「前々から言おうと思っていたけど、ふみひこさんってご両親のいいなりよね」。

そして、ついに本音を言ってしまった。

「私、今よりも不便でへんぴな場所に住むのは、抵抗あるの。もっと嫌なのは、お義父さんやお義母さんと同居すること。ふみひこさんはご両親に頭が上がらないじゃない。結婚して、私がご両親とケンカになったときに、私じゃなくて、向こう側につくのが目に見えているから」

もう言葉が止まらなかった。

「結婚の具体的な話をするようになって、ふみひこさんの素がだんだん見えてきて、一生一緒にいられるかどうか自信がなくなってきたの。今日はもう帰る!」

そのままふみひこの家を出て、帰路についた。家に帰ってきて、母親に事の経緯を説明すると、母親が言った。

「そうね。そんなところにお嫁に行ったら、あなたも苦労するかもね。まだ籍を入れた訳ではないし、今はお互いに感情的になっているだろうから、冷静になってよく考えてみなさい」

そこから毎日あったふみひこのLINEが来なくなり、1週間後に『やっぱりこの結婚は難しいと思う。白紙に戻そう』という連絡が来た。そのLINEを読んで涙は出てきたのだが、どこかでホッとしている自分もいたという。

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両性の合意に基づいて成立するのが結婚なのだが、親から反対を押し切って結婚するのは、そこに2人の強い気持ちがないとできることではない。

もちろん、周りから祝福されて結婚しても、うまくいかずに離婚に至るカップルもいる。反対されて結婚したのに、一生幸せに添い遂げる夫婦もいる。結婚で幸せになれるかどうかは人間万事塞翁が馬ということか。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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