疲れも心の傷も3倍モード、うつが深刻化する過程 大切な人が塞ぎこんでいたらどう対応するか

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大切な人がふさぎ込んでいたらどう対応すればよいのでしょうか(写真::Pangaea / PIXTA)
夏から秋へ、季節の変わり目は体調を崩しがち。でも、それって、本当に気候のせいなのでしょうか。肩こりや腰痛、頭痛がひどくなったり、肌荒れやアトピーが悪化したり……体の不調は、ストレスが原因であることも少なくありません。もしも、あなたの大切な人が、いつもより落ち込みやすく、猜疑心でいっぱいだったら、それは“うつ”の始まりかも。メンタルレスキュー協会理事長の下園壮太氏、公認心理師の前田理香氏による共著『家族が「うつ」になって、不安なときに読む本』から、“疲れ”が引き起こす心の病についてお話しします。

 うつ状態の人は、すべてにおいて「3倍モード」

現代人のうつ症状の多くは「疲労困憊」が原因です。人は元気なときと疲れているとき、疲れているときと疲れ果てているときでは、心や体が変化するだけでなく、体の感じ方や物事の見え方まで変わってきます。疲労の蓄積とともに落ち込みの度合いが高まり、うつの症状が出現してくるのです。

この疲労は、通常徐々に、しかも連続的に変化していくものですが、うつの当事者や周囲の方にイメージしてもらいやすくするため、あえて3つの段階(1倍〜3倍モード)に分けて説明します。

「蓄積疲労の3段階(1倍〜3倍モード)」(本書より引用)

通常の疲労を「1段階疲労(1倍モード)」とし、次の段階を「2段階疲労(2倍モード)」、そして疲労困憊し、理性的になれない状態を「3段階疲労(3倍モード)」と呼んでいます。段階が進むにつれ、うつも深くなるプロセスと理解してください。

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