疲れも心の傷も3倍モード、うつが深刻化する過程 大切な人が塞ぎこんでいたらどう対応するか
【蓄積疲労の3段階】
ざっくり言うと、その人が「普通に元気」に暮らせている状態です。1日仕事や勉強をして疲れても、一晩ぐっすり眠れば、疲れがとれて、翌朝元気に会社や学校に行けます。もし、結構ハードな1週間を過ごしたとしても、週末ゆっくり休めば心身の疲労が回復し、月曜日には出社(登校)ができる程度の疲れです。
「まぁまぁ疲れているな」から「かなり疲れているな」と感じる段階で、土日休んだくらいではなかなか疲れがとれません。
ゴールデンウィークや年末年始などの1週間以上の連休でしっかり休めば、なんとか少し疲れがとれますが、またすぐに疲れが溜まってしまい、常に疲労を溜め込んでいる状態を言います。
1段階疲労のときの疲労感をa、回復にかかる時間をbとすると、2段階疲労では、同じ出来事に対して2倍疲れて(2a)、回復にも2倍時間(2b)がかかります。
疲れているのに寝つけなかったり、睡眠が浅くなったり、食欲不振、体調不良などの身体症状が出始めます。また、自信が低下したり、なんとなく自分が頑張っていないような気がしたり、周囲の視線が怖くなるなど、精神状態にも変化が出てきます。
長めな休みが必要な3倍モード
いよいよ「疲れ果てている」状態で、かなり長めな休みをとって心と体を休ませないと、疲労がとれない段階です。
同じ出来事に対して3倍疲れて(3a)、回復にも3倍時間(3b)がかかってしまいます。3段階疲労の状態では、さまざまな身体症状や精神症状が悪化し、どんどん不安が大きくなっていきます。そして、「もう終わりにしたい」「自分などいないほうが良い」という気持ちまで出てきてしまうのです。
1倍モードで8時間働いたときの疲れが、2倍モードでは倍の時間働いた疲労に感じます。3倍モードでは24時間働き続けたような疲労を感じるので、通勤するだけで、さらに言うと「会社に行かなければ」と想像するだけでヘトヘトになってしまいます。言わば「別人モード」で、理性的に物事を考えることがむずかしくなっている状態です。