恵まれている日本男性が「不幸に見える」根本原因 日本の男性たちが置かれた状況は大きく変化した

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また日本はシングルマザーの貧困率が異様なほど高いことも知られている。日本ほどシングルマザーが就労している国は少ないのに、適切な公的支援が不足しているために、働けば働くほど貧乏になっていく。そんないびつな仕組みがあるのだ。のみならずシングルマザーたちは、生活保護バッシングと関連したレッテルを貼られている。実際の生活保護受給者は、病気の高齢者や重度障害者などが主であるにもかかわらずだ。

つまり、日本の場合、女性の労働参加率は高いものの、非正規雇用の高さが示すように、性別役割分業という不平等が根深くある。

経済協力開発機構(OECD)の調査では、世界中で女性は男性の1.9倍の育児・家事などの無償労働を行っているが、日本ではこの格差が5.5倍にもなり、先進国の中では最大である。「経済・労働市場での男女格差と、家庭での男女格差は表裏一体なのだ」(山口慎太郎「家庭内の男女格差が大きい日本 男性を家庭に返そう」)。

2016年の総務省の調査によると、有配偶男女の一週全体の平均家事関連時間は男性が49分、女性は4時間55分で家事の95%を妻が行っている(「平成28年社会生活基本調査結果」総務省統計局)。

数値的には、男性も60代になると家事時間が増えていくが、これは退職によって家にいる時間が長くなる、あるいは妻が死去して自分でやるしかない、といったケースが増えるためだと思われる。いずれにせよ、内閣府「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(2020年度版)によれば、日本の高齢男性の「家事を担っている」割合は26.6%であり、調査対象4か国(日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデン)の中で最下位である(他3か国の高齢男性の「家事を担っている」割合は7割以上)。

有利な立場にあるのに男性たちはなぜ不幸なのか 

以上を踏まえた上でもう一度考えてみたい。「男性は女性に対して有利な立場にある」「男女格差が大きい」のは数値的に見ても疑いないのだが、にもかかわらず、これもしばしばいわれるように、日本の男性たちがあまり幸福そうではないのは、なぜだろうか。

NHKクローズアップ現代「男はつらいよ2014 1000人〝心の声〟」が話題になったことがある。番組内で紹介されたのは「いま幸せだと感じている男性が3割に満たない」というデータである。日本の男性の幸福度は女性と比較すると全体的に低い。

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