テレビはZ世代とシニア世代をどう繋ぎ止めるか 上も下も幅広く家族で視聴できる番組に活路

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その下が「キネマ世代」(タモリに代表されるプレ団塊世代)。戦後復興期に育ち、青年期に高度成長期、40代で迎えたバブル経済の崩壊まで右肩上がりの成長を続けました。一番幸せな世代と言えます。彼らが若い頃に空前の映画ブームがあり、みながアメリカに憧れました。ただ、この世代まではお見合い結婚が多く、家父長制も続いています。

その下が「団塊(の)世代」(ビートたけしの世代)で、ベビーブーム世代とも言われます。とにかく人口が多いので競争意識が強く、封建制と革新性が彼らの特徴です。学生運動が盛んでしたが、多くの人は上の世代が作った企業に入り社長を目指しました。

第一次テレビっ子世代として欧米文化(ビートルズやマクドナルド)を自分のものとして取り入れ、『週刊少年マガジン』などに代表される若者文化、子ども文化が作られ始めた世代でもあります。統計上は初めて恋愛結婚がお見合い結婚を抜いた世代で、都会ではこの世代から女性の専業主婦化が進んだと言われています。

その下が「しらけ世代」(ポパイ・JJ世代、明石家さんまの世代)です。政治に対して距離を置き、とにかく人生を楽しもうという世代です。サザンオールスターズ、ユーミン(松任谷由実)などおしゃれな音楽が流行し、上の世代とはガラッと志向が変わります。ニュートラ、ハマトラ、そしてDCブランドブームなどファッションの流行を牽引して消費の担い手になりました。トレンディドラマが流行し、自由恋愛になった世代とも言えます。

シニア世代のメディア環境を俯瞰してみる

次に、シニア世代のメディア環境を見てみます(下図参照)。シニア世代のメディア環境は、地上波テレビが圧倒的です。テレビの利用率は93.7%に上ります。利用時間帯も6~23時と一日中視聴されていて、視聴ジャンルも多岐にわたります。

一方で、新聞の利用率は56.2%と約半数にまで減っています。すでにシニア世代の約4割が利用しているLINEに新聞が抜かれる時代も近いと思います。この状況をテレビも他人事と思っていると、新聞と同様の道を歩む可能性もあります。シニア世代にとってLINEは、情報ツールというよりは孫、子どもとの連絡ツールですが、その存在は大きくなっています。

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