「めちゃイケ」がついに終わってしまう理由

20年以上も続いた長寿番組が抱えたジレンマ

ナインティナインの矢部浩之と岡村隆史(写真:日刊スポーツ新聞社)

番組は、なぜ今終わりを迎えることに?

1996年の放送開始以来、長年にわたって多くの視聴者に愛されてきた人気番組「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)が来年3月で終了することが発表された。ネット上でも突然の終了を嘆くファンの声が広がっている。「めちゃイケ」とはそもそもどういう番組だったのか。どういうふうに始まり、なぜ今終わりを迎えることになってしまったのか。歴史をひもときながら考察していきたい。

「めちゃイケ」が始まった1996年当時のテレビお笑い界では、ダウンタウンが市場を席巻していた。「ダウンタウンのごっつええ感じ」「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」「ダウンタウンDX」などの番組が人気だった。

ダウンタウンの浜田雅功は小室哲哉のプロデュースでCDデビューを果たしてヒット曲を連発。松本人志は著書が200万部を超えるベストセラーになり、武道館で単独ライブを開催していた。名実共にお笑い界のトップランナーとなっていた。

一方では、ダウンタウンに続く次世代芸人の登場が求められている機運もあった。そこで「ポスト・ダウンタウン」の最有力候補とうわさされていたのがナインティナインだった。彼らはフジテレビの新人発掘番組「新しい波」で極楽とんぼ、よゐこ、光浦靖子らとともにその才能を見いだされ、ローカル深夜番組「とぶくすり」に出演した。そして、それが発展する形で全国ネットの深夜番組「めちゃ×2モテたいッ!」が始まり、これが満を持してゴールデンタイムに進出して「めちゃイケ」になった。

「めちゃイケ」が始まった当初、ナイナイ以外のレギュラー陣はほとんど無名に近い状態だった。しかし、この番組は決してナインティナインだけを特別扱いせず、あくまでもレギュラー全員を平等に扱った。彼らは番組最後のスタッフロールでも「おだいばZ会」というくくりで紹介され、個々の人員は「めちゃイケメンバー」と呼ばれていた。

すでにテレビのスターだったダウンタウンやとんねるずが、それぞれの強烈な個性を生かして自分たちの番組を作っていたのに対して、キャリアの浅いめちゃイケメンバーは「チームとしての一体感」を重視していた。フジテレビでそれまでに数多くのバラエティ番組を手掛けてきた片岡飛鳥は、「めちゃイケ」では「総監督」を名乗り、強力なリーダーシップを発揮して、演出を通してメンバーにテレビのいろはを教えこんでいった。

「めちゃイケ」は、毎週企画が変わる、手の込んだ作りのバラエティ番組である。ベースとなる企画の大まかな流れは決まっているが、細かいところは出演者に委ねられていて、ドキュメンタリー的な要素もあった。その場で起こったことを素材にして、テロップやナレーションを加えて笑いを生み出すという手法は画期的なものだった。

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