もしかして「うつ」?心と体に起きる5つの変化 日常の些細な出来事に対しても不安感を覚える

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「不安のプログラム」は、常に頭の中をフル回転して、危険を予防しようとします。原始時代で言えば、特に夜は「猛獣などの外敵に襲われる危険が大きい時間帯」なので、警戒を強め、起きたまま不安思考を進めるのです。つまり、「眠れない」ではなく、「眠らないスイッチ」が入っているということ。この不安によって「考え込んでしまう」のも、うつの典型的な症状です。

最後に、うつによって起こる心と体の変化で代表的な症例を挙げておきます。

体に起こる5つの変化

①不眠:「眠れない」苦しさ、2週間以上の継続

②食欲不振:おいしくない、体重変化

③疲労感(負担感):休んでも疲れが抜けない

④思考停止:仕事ができない、成績の低下

⑤身体不調:肩こり、頭痛、腹痛などあらゆる症状

心に起こる5つの変化

①無力感(自信の低下):何をやってもダメ、不幸続き、自信なし

②自責感(罪の意識):自分は迷惑、「申し訳ない」。離婚、退職

③対人恐怖・怒り:人を避ける、逆に怒り(特に身内に)

④不安・焦り・後悔:休めない、否定的な考えしかうかばない

⑤「死にたい」気持ち:消えてしまいたい、居場所がない

とにかく休むことをすすめよう

家族が「うつ」になって、不安なときに読む本
『家族が「うつ」になって、不安なときに読む本』(日本実業出版社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

もしも、あなたの大切な人に“うつっぽい”言動が増えてきたら、とにかく休むようにすすめてください。

考えることを意志でやめられる状態から、やめられない状態に移行する前に、いったん立ち止まることが必要です。

本人だけでなく、関わる自分の体調や体力も考慮し、ひとりで抱えきれないときは、家族や周囲の人、行政サービスや専門家を頼るようにしましょう。

下園 壮太 メンタルレスキュー協会理事長、元・陸上自衛隊衛生学校心理教官

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しもぞの そうた / Sota Shimozono

1959年生まれ。82年防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊入隊。陸上自衛隊初の心理幹部として多くのカウンセリングを手がける。大事故や自殺問題への支援で得た経験をもとに独自の理論を展開。陸上自衛隊衛生学校で、衛生科隊員(医師など)に対する教育に携わってきた。2015年に退官。現在は、NPO法人メンタルレスキュー協会理事長を務める傍ら、講演や研修会で、独自のカウンセリング技術を普及。著書は『うつからの脱出』(朝日文庫)、『心を守る ストレスケア』(池田書店)など多数。

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前田 理香 公認心理師、うつ・クライシス専門カウンセラー、元海上自衛官

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まえだ りか / Rika Maeda

NPO法人メンタルレスキュー協会カウンセラー。事故や事件、自殺などショックな出来事を体験したクライアントや、うつ病を患っているクライアントと向き合い、カウンセリングを行なっており、多数の組織等の復職支援に携わる。2021年4月から、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)との契約に基づき、有人宇宙システム株式会社(JAMSS)がとりまとめる国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する日本人宇宙飛行士の健康管理運用業務(精神心理支援)に参加。

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