もしかして「うつ」?心と体に起きる5つの変化 日常の些細な出来事に対しても不安感を覚える

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「うつ」とは、具体的にどういう状態のことをいうのでしょうか(写真:kei.channel /PIXTA)
SNSなどで情報があふれ、仕事や人間関係などストレスにさらされ続けている現代人。コロナ禍で生活が大きく変わるなか、“うつっぽい”症状に悩む人が増えています。多くは“心身の疲れ”によるものですが、痛みや熱などと違って自覚しにくく、まわりの人も気づきにくいため、ムリをして症状が悪化することも……。メンタルレスキュー協会理事長の下園壮太氏、公認心理師の前田理香氏による共著『家族が「うつ」になって、不安なときに読む本』から、“うつ”の人が陥りがちな心と体の5つの変化について紹介します。

理性的でなくなる「別人モード(うつ状態)」

「うつ」と聞いて、皆さんはどんなイメージを持たれますか? インターネットでいろいろ調べてみても、なかなか実態をイメージしにくいでしょう。

私たちは普段、相談に訪れる当事者や周囲の方々が理解しやすいよう、原始時代の生活を比喩にして説明するようにしていますので、ここでも同じようにお話しします。なお、「うつ」のメカニズムは科学的には解明されておらず、医師によっても見解が分かれるため、あくまで1つの例えとして受け止めていただければと思います。

古来、人はストレス(不安や恐怖)を感じ、「生きるか死ぬか」の瀬戸際だと脳が判断すると、まず「驚きのプログラム(アプリのようなもの)」を発動します。「生きるために全力を振り絞る」と、当然ながら心身のエネルギーを大量に消費します。そして、その危機が去るとプログラムを終了し、食事や睡眠などで失ったエネルギーを補充しながら日常生活に戻ってゆきます。

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