漢の中の漢「陸上自衛隊」知られざる隊員の6系統 正統派から元ホストまで、個性豊かなその実態

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陸上自衛隊の階級は、大きく分けると「士・曹・幹部」に分類されます(詳しくは図をご覧ください)。それぞれのイメージを一般企業になぞらえてお伝えすると、

・士…契約社員的な立場。「現場の一兵卒」というイメージ。
・曹…正社員的な立場。士階級から陸曹になるには試験を受ける必要がある。
・幹部…管理職以上。全国転勤や残業もざらにある。

という感じです。

自衛官の階級について

個性豊かな隊員たち

一般入隊の場合は「自衛官候補生」または「2士」からキャリアがスタートします。陸上自衛隊は、入隊のハードルがほかの公務員と比較すると低く、入隊時の体力検定もとくにないため、陸士はいい意味でも悪い意味でも個性豊かです。もちろん運動神経抜群のスポーツマンもいますが、元ホストや負け続きのギャンブラー、失恋でやってきた人、「マジ」の2文字だけで会話を成立させようとする隊員もいます。

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士長まではあくまでも任期制隊員なので、定年まで自衛隊に残りたい場合は昇任試験を受け、陸曹教育隊(陸曹として必要な教育を行う部隊)を卒業し、3曹へ昇任する必要があります。ただ一般入隊した人たちには、「学費を稼ぐために入隊した」や「警察官になるための勉強をしている」といった隊員も多いので、そもそも短期間で働くことを前提に来ている人たちもいます。

次に陸曹ですが、陸曹になるには筆記試験や面接を受ける必要があり、自衛隊に残る強い意志が必要です。陸曹教育隊での訓練を乗り越えてはじめて一人前の自衛官として認められるようになります。社会的地位も安定するので、「恋人と結婚するためには陸曹にならなくては!」と愛のパワーで頑張る人たちも一定数います。

次に幹部階級ですが、部隊指揮、訓練計画の立案、教官が主な業務となります。幹部になるためにはさまざまなケースがありますが、「大卒組」と「陸曹から昇任組」に主に分類できます。ただ、幹部は転勤や残業が多いので、明らかに素質がある陸曹でも「自分は幹部になりたくない……」と渋る人たちが割といます。

一般的には、大卒組でないと3佐より上の階級は難しいといわれていますが、中には2士から将官になる人もいます。実は陸上自衛隊は学歴よりも、勤務実績と昇任試験に重きを置いているところがあるので、努力次第では上にいくことが可能なのです。

ぱやぱやくん 元自衛官・エッセイスト

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ぱやぱやくん

防衛大学校卒の元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。名前の由来は、自衛隊時代に教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。Twitter:@paya_paya_kun

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