医学生が伝授「成績を上げる」納得の3プロセス 「本質」「反復」「あぶり出し」をしっかり捉えよ

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「できないものをあぶり出し、できるようになる」とは、知識や解法が自分の中にストックされているかを確かめ、されていないことがわかったらあらためてストックしていく、というプロセスです。

普段の勉強で解けないものがあるとイライラすると思いますが、そういうときこそ「成績が上がるチャンス」「成長の瞬間」なのだと喜んでください。

勉強以外に置き換えてみても、たとえばピアノで難しい曲を弾けるようになる、野球でスライダーを投げられるようになるなど、「できないものをできるようにする」ことはとても大変なことです。同じく勉強も長い努力が必要ですが、「ストックできていない」と気づき、そのままにしておかないことが大事です。

思い出しやすくなるような工夫をしよう

受験では暗記物がたくさんあるので、短い時間でしっかり記憶に残るよう、覚え方に工夫が必要です。

たくさんインプットしても、正確にアウトプットできなくては試験・受験勉強では意味がありません。ということは、アウトプットしやすいような形でインプットすることが重要になってきます。問題演習をするとき、ポイントを赤字で書いて覚える部分を目立たせたり、バラバラな暗記物を表や図で整理したりするのもそのための方法です。

また、アウトプットしやすいようなインプットをするには、「記憶のフック」をたくさん作っておくことも大切です。みなさんもクイズに答えるとき、いろいろなヒントを出されて「そういえば」と閃いた経験をしたことはありませんか? ヒントとは、違う角度からその対象を説明したもの。つまり、1つの事柄に対して、複数の角度からの情報をセットで記憶すると、思い出すためのフックをたくさん作れるのです。「紐づけ」「関連づけ」とも表現できます。

英単語なら、接頭語や接尾語、類義語・対義語などを一緒に覚えるとフックを増やせます。たとえば「re」という接頭語。「再び」という意味だと覚えておくと、「restart =再開」「regain =取り戻す」なども意味を類推しやすくなったり、覚えやすくなったりします。

用語から連想したイメージと一緒に覚えておくのも非常に効果的です。イラストがたくさん載っているタイプの英単語帳は、英単語とイラストとを関連づけて記憶できるため、思い出しやすくなります。

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