「長谷部効果」覚醒の森保ジャパン、見えた可能性 経験生かしてベテランの相談役、若手の模範に

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ただ、大事なのは、今ではなく2カ月後。2010年南アフリカW杯16強戦士の松井大輔(YSCC)ら過去の代表選手たちが「W杯は本番コンディションが全て」と口を揃えているように、ここでピークを迎えてしまうのは少し早すぎるのだ。

4年前の2018年ロシアW杯を振り返ってみても、西野朗監督が大会2カ月前に就任するという異例の事態に直面し、チーム作りの場は千葉とオーストリア・ゼーフェルトの直前合宿しかなかった。そして本番前最後のパラグアイ戦で結果を出した香川真司(シントトロイデン)、乾貴士(清水)、柴崎岳(レガネス)らが勢いに乗り、本大会でも主力として活躍している。

そういった成功例を踏まえると、やはり肝心なのは、ドイツ戦1週間前の11月16日のカナダ戦(ドバイ)ということになる。鎌田や久保はそこまでトップフォームを維持しなければならないし、少し出遅れている南野拓実(モナコ)らも一気に状態を引き上げていく必要があるだろう。ピークへの持っていき方に配慮しつつ、日本代表はいかにして初戦のドイツを叩くかを模索していく必要がある。

久保建英と鎌田大地
アメリカ戦で活躍した久保建英(左)と鎌田大地(右)(筆者撮影)

ボールを回されても慌てず対応できるか

「ドイツ戦で勝ち点を取れなかったらグループ突破は難しい」というのは、吉田や原口元気(ウニオン・ベルリン)らベテラン選手たちが強調している点。ボール保持に長けたドイツに押し込まれただけでバタバタしていたら、すぐに失点してしまいかねない。むしろ相手にボールを回されても慌てず、逆に守備で主導権を握れるような戦い方ができれば理想的である。

実際、アメリカ戦では、最初からボール保持率で下回る前提で激しくプレスに行く「本番仕様」を徹底。鎌田大地が先制点を奪っている。その起点になったのは、今季UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)初参戦中の守田英正(スポルティング)。中盤でプレッシャーをかけ、伊東がボールを奪って一目散に前へ攻め上がり、守田を経由して鎌田が決め切った。このスピーディーな速攻がドイツ戦で見られれば、世界を驚かせることができるはず。そんな期待を抱かせた。

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