「長谷部効果」覚醒の森保ジャパン、見えた可能性 経験生かしてベテランの相談役、若手の模範に

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過去の代表リーダーを招聘し、チーム活性化を図るという斬新なトライができるのは、日本人監督のメリットだろう。実際、森保監督は就任当初から「長谷部や本田(圭佑)に来て話をしてもらいたい」と熱望していた。本田はロシアの後、カンボジア代表の事実上の監督に就任したため、代表活動のある国際Aマッチウイークに来るのは難しいが、長谷部の方はずっとチャンスを探っていたに違いない。そして本番2カ月前というこの重要なタイミングでついに実現に至った。

「アメリカ戦はいいゲームだった。試合のプランもハッキリしていたし、意思統一してやれていた。後半に入って相手が3バックにした時に、選手たちがどう修正するかを見ていたけど、中で話し合ってプレスの方法を変えたりしていた。自分たちで臨機応変に変化させることは監督も求めている点。僕自身もポジティブに感じた」と長谷部は新たな日本代表のポテンシャルを改めて感じたという。

サッカー日本代表
次のエクアドル戦はメンバー交代を想定、連勝できるか(筆者撮影)

前キャプテンが期待を寄せるように、日本代表がドイツという強敵を倒し、8強の高い壁を超えられれば理想的。そのためにも、直近27日の次戦・エクアドル戦を大事にしなければいけない。

今回は古橋亨梧(セルティック)や南野、堂安らのスタメン出場が濃厚。彼らがどのようなパフォーマンスを見せるかが注目だ。前の1試合がよかったからと言って、次のゲームでトーンダウンしてしまったら意味がない。そこは肝に銘じるべきだ。

いずれにせよ、「長谷部効果」が2カ月の本番にどう出るのか。日本代表が歴史を塗り替えるためのチャレンジはここからが本番だ。

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元川 悦子 サッカージャーナリスト

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もとかわ えつこ / Etsuko Motokawa

1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、1994年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。著書に『U-22』(小学館)、『初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅』『「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(ともにNHK出版)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)ほか。

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