ランクを落とした学校で「1番」目指すのがいい理由 永守重信氏が語る「能力を最大限引き出す戦略」

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当時は1960年代、まさに日本の高度成長期である。

これから伸びるはずと予想した日本の電機関連のメーカー数社に投資したら、数年後にそれらがすべて伸び、一時期、私の株の含み資産は1億円にもなった。

その後は思惑が外れて空売りで大損をし、結果的に含み資産はずいぶん減ってしまったが、若いうちに大きな失敗をしたことはむしろ自分にとってよかったと思っている。

株に限らず、何ごとについてもいえるが、成功からではなく失敗から学ぶことのほうが多く、また身につくものである。

私はその失敗から、成長する銘柄を探して長期で保有するという投資ポリシーを確立することができた。実際、その後は数十年単位の長期期間で投資を続けている。

また、そのときに大儲けし続けていたら今の自分はなかったはずだ。お金の大切さと怖さがしみついたからこそ、堅実経営をするようになったのだから。

それはともかくとして、株式投資の成功と失敗の経験は、後に起業する際にも大いに役立つことになった。

また、この株式投資によってバランスシートの読み方や金融知識を学んだだけでなく、世の中や会社を見る目を養ったと思う。

お金について学ぶことは、社会について学ぶことと同じくらい大切なのである。

皆さんもアルバイトでお金を稼ぎ、投資してみるといいだろう。さまざまなことが学べるはずだ。ただし、投資の前に日本経済新聞や書籍などで十分勉強する必要がある。

戦略的に自信をつけていく

また、この時期に大切なのは、自分の強みを見つけて伸ばしていくことだ。

その際には、どんなに小さくてもいいから「成功体験」や「1番になる経験」を積み重ねていくことをお勧めする。

それによって「このことなら絶対に、他人に負けないぞ!」という自信や負けん気が湧いてきて、さらに努力するようになるからだ。

では、1番になるためにはどうしたらいいのか。

それは、どんなことでも「1番」にこだわり続けることだ。

私は生まれつき負けず嫌いな性格で、小さな頃からどんなことでも1番を目指してきた。銭湯に行ったら、靴は必ず1番の札の下駄箱に入れた。もし1番の札の下駄箱が空いていなければ1番上の棚に置く。そこまで徹底的に1番にこだわった。

学校の成績でも人に負けるのは絶対に嫌で、とにかく「1番以外はビリだ」と考え、必死になって勉強していた。

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