ランクを落とした学校で「1番」目指すのがいい理由 永守重信氏が語る「能力を最大限引き出す戦略」

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私の提案を受け入れて、ランクを落とした高校に行った生徒のなかには、高校でトップクラスになり、自分に自信をつけ、その後レベルの高い大学に入った者もいる。レベルの高い高校に入って自信を失ってしまうより、そうやって高校で自信をつけたほうがよかったと思っている。

高校入試でも大学入試でもそうだが、受験の際には自分のレベルより低い学校に目を向ける人は少ない。

しかし、もしかしたらそのなかにも自分のやりたい勉強ができる学校や、自分の適性に合っている学校があるかもしれないのだ。やはり偏差値や内申点だけで学校を選ぶのではなく、自分が何をしたいのか、これからどうなりたいのかを考えて選ぶことが重要だと思う。

自分の能力を最大限引き出すための戦略

このように、成功するためには誰でも努力を重ねて実力をつけていく必要があるが、そのためにはまず小さな成功を何度も経験し、自信を積み重ねていくことが非常に重要だ。

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例えばクラスや学年で1番の成績をとったらうれしくなり、得意になるはずだ。得意なものはもっとやりたいと思うから、ますます勉強するようになる。自分から進んで勉強しているため、「やらされ感」やストレスも大きくない。

そうして夢中で頑張っているうちに自然と学力もついてくる。小さな成功体験によって、こうした好循環が回り始めるのである。

だから、少しランクを落とした学校で1番を目指すというのは、結果的に自分の能力を最大限引き出すための1つの戦略なのだ。

読者の皆さんのなかには志望の学校に入れず、滑り止めの学校しか受からなかったという人もいるかもしれないが、わが身の不幸を嘆いている場合ではない。今こそ頑張ってクラスや学年で1番を目指すべきだ。

会社も同じである。

就職希望企業ランキングでトップの会社に入っても、周りが東大卒や京大卒ばかりだったら、それに圧倒されて自信や熱意を失ってしまうかもしれない。それでは、潜在能力も出せないままになってしまうだろう。

それより小さくても今から伸びていく会社や、自分の適性に合った企業に入るほうがやる気が生まれ、自分の力を思う存分に発揮できるはずである。

永守 重信 日本電産会長 創業者、京都先端科学大学理事長

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ながもり しげのぶ / Shigenobu Nagamori

1944年京都生まれ。職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)電気科卒業。73年、28歳で従業員3名の日本電産株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。80年代から国内外で積極的なM&A戦略を展開し、精密小型から超大型までのあらゆるモータとその周辺機器を網羅する「世界No.1のモーターメーカー」に育て上げた。代表取締役会長兼社長(CEO)、代表取締役会長(CEO)を経て、2021年より代表取締役会長。2014年、公益財団法人永守財団を設立、理事長に就任。また18年には京都先端科学大学を運営する学校法人永守学園理事長に就任。著書に『成しとげる力』(サンマーク出版)、『「人を動かす人」になれ!』(三笠書房)など。

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