現在の仕事や職務をそのまま継続していて大丈夫と考えるのではなく、激しく変化する外部環境に適応していくべく、自分を変化させる「適応力」が高いと考えられます。シリコンバレーでは、この適応力を計測するAQ(適応指数)を向上させるプログラムなどに注目が集まっています。今後も著しく外部環境が変化していくと仮定すると、企業にとって「変化への適応力」がある人材はとても魅力的です。
ここ数年、日本では自分のキャリアパスを自ら構築していくキャリア自律という考え方が主流になってきました。自らのキャリアを自ら構築していくキャリアオーナーシップを発揮できる人材を育てるにはどうしたら良いのか、と僕もよくご相談をいただきます。
リスキリングを成功させる人は、自ら自分のキャリアを創っていくことができる人だといえます。またリスキリングを成功に導くまで努力できるということは、英語でよく使うほめ言葉であるselfdisciplined(自己規律のある)、つまり自らの生活を律することができる人であるともいえます。
言うまでもなく、学習能力が高いこともリスキリングに取り組むビジネスパーソンの能力としてアピールできます。DX、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、SX(サステイナビリティー・トランスフォーメーション)といった企業変革が求められる現在、所属組織の新たな方向性を先取りして、自ら学ぶことができる人材は喉から手が出るほど欲しいはずです。特に、海外企業の採用面接においては、fast learner(習得の早い人)であることが、とても評価の高いポイントになります。
通常の業務タスクをこなし、日々のさまざまな予定外の出来事やトラブルに直面しながらリスキリングを行い、成果に結びつけるためには、並々ならぬ努力が求められます。好きだから続けられる、といった場合もあるかもしれませんが、いずれにしても、リスキリングを完了するまで行う「継続力」があることを示すことができるといえます。
5の継続力に加え、ストレス耐性が高い人という判断もできるかもしれません。所属組織の方針との兼ね合いで、自分の望まない方向にリスキリングをしなくてはいけなくなる方もいます。リスキリングを進めていくうえで、途中で挫折してしまうようなつらい出来事が、仕事であれ、プライベートであれ、起きる可能性もあるでしょう。
そうした中でリスキリングを継続できるということ、そして「知らないこと」「わからないこと」に立ち向かっていくことができるのも、「ストレス耐性」の証明であるといえます。
最後に、ここまで述べてきた1から6の集大成として、リスキリングを成功させるという「目標達成能力」が高い人材であることを証明していると思います。多くの場合、リスキリングは短期プロジェクトではありません。海外の調査結果で、成果が出るまでには平均で約12カ月から18カ月かかるという試算も出ています。goal-oriented(目標指向型)であることも、海外企業含め採用面接で高く評価されるポイントです。
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