例えば、現在でも大手コンサルティング会社では、コンサルタントがどのような業界のクライアント向けのプロジェクトを行い、どのようなスキルを持っているのか、ということをデータベース化し、新しい案件が入ってきたときに、誰が担当するのに相応しいか、ということをスキルと経験ベースでアサインします。
これからの時代、Web3が浸透し、DAO(分散型自律組織)が広まってくると、会社という単位より、プロジェクトベースでの仕事の進め方が中心となるため、「どんなスキルを持っているのか」という事実、情報が重要になります。そのためにも自ら持っているスキルを伝える努力がとても重要です。
いつもリスキリングについてのアドバイスをいただいているサイバーエージェント常務執行役員CHOであり、YouTuberの人事部長ソヤマンとしても大活躍中の曽山哲人さんの著書『若手育成の教科書』では、抜擢によって、若手が自らの成長に向けて動き出す仕組みについて語られています。
サイバーエージェントは、ネット広告から事業を始め、現在は動画配信事業ABEMAへの投資を加速し、次々と新しい事業を作っています。社内における新規事業への配置転換も積極的に行い、従業員も自らリスキリングに取り組んでいるといいます。サイバーエージェントの従業員の皆さんには、リスキリングを行う遺伝子のようなものが、脈々と伝承されて続けているのではないかと思います。
リスキリング成功者が持つ価値
2022年1月に実施されたイギリスのReed社の調査によると、英国の雇用主の60%が、「リスキリング経験のある候補者や、異業種からの応募が増えている」と回答したとのことです。新型コロナウイルス感染症の影響で大きく仕事観が変わり、リスキリングすることでより良い職場環境や給与を提供してくれる企業への転職が増えているのです。
これからは採用の条件などの中で「リスキリング経験があること」が重要視されてくるのでは、と考えています。
理由は、リスキリングを成功させた経験を持つビジネスパーソンの価値を分類すると、以下の7つの能力を持っているのでは、と推察することができるからです。
リスキリングを行う人は、外部環境の変化を捉え、自分の将来の方向性やキャリアパスについて考えた結果、行動に移すのだといえます。場合によっては、現在の職務を継続することに不安を感じるからかもしれません。いずれにせよ、未来に向けて現状を変えようとする「未来志向」の人であることがわかります。企業の変革期に用いるシナリオ・プランニングのように、自分の人生の未来を見据えているが故に、リスキリングに取り組むことができるのです。
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