米スタバ、なぜ日本を完全子会社化するのか 本社キーマンが語る日本のポテンシャル

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

もう一つは新ブランドを日本に導入していく。それは紅茶のブランドだ。数年前にティバーナという会社を買収した。これまでSBJやってきたことを、紅茶という世界でもできないかと考えている。日本における成長の滑走路はまだまだ長く伸びており、長期的な視野で考えている。

――昨年9月、東洋経済のインタビューでSBJの関根純CEOは、紅茶専門店について、「日本に合うかどうか見極める必要がある。(本社が)無理矢理日本に押しつけてやることはない」と話していた。

 重要なのはスタバ本社もSBJも一つということ。日本での経営は、日本で判断していく。ただ、SBJはスターバックスコーヒーカンパニーの一員だ。日本で成功するように、グローバルではいろんなものがあるし、スキルもある。

消費者にオーナーシップは関係ない

John Culver●米国ネスレ社を経て、2002年スターバックス入社。07年にスターバックス・コーヒー・アジア・パシフィック プレジデント、09年にスターバックス・コーヒー・インターナショナル プレジデントを経て、11年から中国・アジア太平洋部門のプレジデント
 

――これまでにも、英国や中国などで合弁会社をスタバ本社が買収するケースがある。

そういったオーナーシップの話は、消費者から見ればまったく関係ない。合弁でやるのか、100%子会社なのかにかかわらず、お客様に見える店のオペレーションを一貫してやれるかが重要だ。

日本は売上も規模も大きく、オーナーシップを変えるというのは理にかなった時期だったと思っている。現在でも一緒にパートナーシップを組んで、成長している国はたくさんある。

――完全子会社化されることで、SBJの関根CEOは「人材や商品を世界中のスタバに”輸出”できるきっかけになる」とも語っている。

 イノベーションにおいて、日本は常に先頭を走ってきた。店舗デザインにしても、商品にしてもユニークで革新的なものを作り出している。たとえば、抹茶ティーラテ。これはもともと日本で開発されたものだが、今や世界中の店舗で販売されている。

次ページアジア地域のポテンシャルは?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事