「円安」と「物価高」に対抗しない黒田日銀の課題 野村総合研究所の木内氏に日本経済の課題を聞く

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9月に入り、1ドル=145円にまで迫った急速な円安。世界的なインフレが進行し、各国中央銀行も利上げを進めて内外金利差が拡大している。そうした中、「悪い円安」は日本経済にどのような影響を及ぼし、政府や日本銀行はそれに対応できるのか。

ドル円を示す電子掲示版
円安が急激に進んだことで一時は為替介入の観測が高まった(編集部撮影)

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2012~2017年に日本銀行政策委員会審議委員も務めた野村総合研究所の木内登英エグゼグティブ・エコノミストに、現在の円安やその状況から見える日本経済の課題を聞いた。

――日米金利差の拡大のほか貿易赤字拡大による実需のドル買いなど円安要因がいくつかありますが、現在の円安でそれぞれの要因の大きさをどうみていますか。

急速な円安は3月から始まっており、ウクライナ侵攻のタイミングと重なるが、貿易赤字拡大に伴う経常収支悪化要因となっているエネルギー価格の上昇は昨年からなので対外収支と為替の関係はあまり強くないだろう。

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