「恋愛強者3割の法則」はいわば「働きアリの法則」のようなものです。「働きアリの法則」とは、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくるというもので、よく働くアリと、時々サボるが普通に働くアリと、働かずずっとサボっているアリの割合は2:6:2になるとされます。
恋愛強者の場合はその割合が3:4:3になります。これは未婚者に限らず、既婚者でも同じであるという点は、以前1000組の夫婦調査による記事で解説しました(『最近の若者は「恋愛離れ・草食化」という大誤解』)。
また、よく働いているアリ2割を間引くと、残りの8割の中の2割がよく働くアリになり、全体としてのバランスはつねに変わらないと言われます。これは恋愛においても同じ傾向です。
なぜいつの時代も3割なのか?
よく考えればわかることですが、モテる男性は3割しかいないということは、その3割をめぐって女性の激しい争奪戦が繰り広げられます。恋愛を「男が能動的に狩るもの」だと思っていたとすればそれは大きな勘違いで、3割の上位男性たちはすぐ売約済みとなってしまうため、むしろ狩りに邁進するのは女性のほうです。
そうして、上位3割のモテる男性が結婚してしまったら、さすがに既婚者と不倫するわけにはいかないので、残った中から上位3割に狙いを変更します。結果的に、最初の恋愛強者が全員いなくなっても、次席としての強者扱いの3割が生まれてくるという寸法です。そうやって、恋愛強者はつねに相対的に3割をキープしたまま続くからこそ、いつの時代も彼女がいる男性は3割なのです。
しかし、この理想的な循環が実現するためには、最初の生粋の恋愛強者3割がなるべく早く(20代のうちに)結婚してくれないとなりません。そうしないと中間層にお鉢が回ってこないのです。1980年代まではそうしてうまく回っていましたが、最近はこの恋愛強者自体に非婚化の傾向があります。
なぜそういうことが起きるのでしょうか?
それはかつて婚姻を支えていた職場結婚の減少と関係します。恋愛強者である以上、職場でなくても、それこそ街のナンパでも旅先でも出会うことは可能です。が、その場合は結婚どころか、恋愛関係にまでもいかない「1回限り」のものになるケースもあります。それを避けたい女性陣としては、職場における強者の争奪戦に取り組むのです。
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