「送迎バス園児死亡」どんな法的責任が問われるか 去年同様の事件も、民事責任は重くなる傾向
静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で、送迎バスに取り残された園児(3)が死亡した事件で、園側の確認不足やチェックミスなどが明らかになっている。
報道によると、園児は9月5日朝、幼稚園の送迎バスに乗ったものの、到着後も降車せず、発見までの約5時間、車内に置き去りにされ亡くなったという。死因は熱射病だった。
幼稚園側は、9月7日に開いた記者会見で、事件当日は普段運転しているバス運転手が休暇で、臨時の運転手にも代行を断られたため、理事長兼園長(73)が代わりにバスを運転していたと説明。理事長は「運転の代行はこれまで数回程度で不慣れだった。確認を補助の人に任せていた」などと話したという。
同会見では、(1)バス下車時に乗車名簿と下車する園児を照合する決まりが伝えられていなかった、(2)園児がバスに取り残されていないかダブルチェックする態勢になっていなかった、(3)クラス補助が登園情報を確認できていなかった、(4)登園するはずの園児がいなかったにもかかわらず、保護者に問い合わせしなかった、というミスが重なったとも説明した。
静岡県警は幼稚園が安全管理を怠ったとみて、捜査を進めているようだが、今後誰がどのような法的責任を問われる可能性があるのか。神尾尊礼弁護士に聞いた。
「園長や実際担当していた職員の責任が問われることが多い」
――またも園児が送迎バスでの置き去りで犠牲になってしまいました。
報道に接するにつれ、たまらなく辛い思いです。心からお悔やみ申し上げます。
私も保育施設の第三者委員を務めるなど小さいお子さんと仕事上も接する機会が多く、今回の事件も自分のことのように感じています。
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