それだけではない。作成・発信されたフェイクニュースを拡散したがるのは、その情報を「信じている人」だということがわかっている。
筆者の研究チームは、2022年1月に5074名を対象として、ファクトチェック済みの実際のコロナワクチン関連のフェイクニュース6件を使って、調査研究を行った。
SNSだけの問題ではない
その結果、まず、コロナワクチン関連のフェイクニュースを知った人のうち、平均して21.8%の人が拡散していることがわかった。また、最も多い拡散手段は「家族・友人・知人に直接の会話で伝えた」であり、フェイクニュースがSNSだけの問題ではないことがうかがえた。
図1は、各フェイクニュースを知った人がどのように判断したか、それぞれ「正しい情報だと思う」「わからない・どちらともいえない」「誤った情報・根拠不明情報だと思う」の3つで回答してもらった結果だ。そして図2は、当該フェイクニュースを拡散した人の中での回答結果である。

図1 フェイクニュースの真偽判断結果(知っている人全体の中で)
出典:「わが国における偽・誤情報の実態の把握と社会的対処の検討 ―政治・ コロナワクチン等の偽・誤情報の実証分析― 」

図2 フェイクニュースの真偽判断結果(拡散者の中で)
出典:「わが国における偽・誤情報の実態の把握と社会的対処の検討 ―政治・ コロナワクチン等の偽・誤情報の実証分析― 」
これらを比較すると、特徴的なことがわかる。
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