米CDC「ワクチンより自然免疫が効果」デマの裏側 フェイクニュースが広がりやすい仕組みを解説

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アメリカCDCが自然免疫を認めた? そんなデマが広まった背景に迫ります(写真:Andy Dean/PIXTA)

今月に入り、「アメリカのCDC(疾病予防管理センター)がワクチンよりも自然免疫のほうが効果があると認めた」という情報が広まり、話題となった。英文記事を引用したTwitter投稿は、5000リツイート、1.5万いいねを集めるなど拡散した。

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CDCはアメリカ国内のさまざまな健康問題に対応する組織で、新型コロナ対策の司令塔でもある。そのため、ここまで話が大きくなった。

しかし、これはデマであり、誤りだ。引用された記事は“反科学的な医療情報や反ワクチンに関する陰謀論などを多く発信している”として、Facebookがコンテンツのシェアを禁止しているサイトである。何よりCDCは、「予防接種を受けることは、COVID-19に感染するよりも、より安全に防御力を高めることができる方法」であると、公式ウェブサイト上に記載している。

デマに利用される公共機関

公的機関がワクチンデマに利用される例は少なくない。

例えば以前、「国の専門機関がワクチンに効果がないと認めた」というテキストとともに、国立感染症研究所のリリースの一部を切り取った画像を貼った、誤ったツイートが拡散された。

これに対して、国立感染症研究所がリリースを出し、「元々の内容を大きく変えたり、自らの主張に都合のいいように一部の文言だけを切り出して使用することは、当所が誤った内容を発信している印象を与えるだけでなく、科学を踏まえた健全な社会の議論を歪めてしまうことを強く懸念しています」と注意喚起するに至っている。

ワクチンデマは、SNS企業などが対策を講じているにもかかわらず、世界中のあらゆる言語で拡散しているのが現状だ。また特に広まるものとして、前述のように「公的機関が発表した」「政府が発表した」などの権威による理由付けがなされているものがある。

一見すると、コロナワクチン接種を推奨しているそれらの機関が、「ワクチンには効果がない」という類いのことを発表したというのは、荒唐無稽なように聞こえる。しかし、この理由付けこそがフェイクニュース拡散において重要な役割を果たす。

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