「やる気エンジンを動かすにはほめる」が納得の訳 やりたい気持ち「内発的モチベーション」を誘導

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好き嫌いや苦手意識がじゃまして、やる気が芽生えないという方もいるのではないでしょうか(写真:Graphs/PIXTA)
仕事や人生がうまくいっている人に共通するのは、「すぐやる」ということです。一方で、やるべきことをいつまでも後回しにして、後悔ばかりしている人もいます。その差は、一体何でしょうか。
「世界一受けたい授業」(日本テレビ)に出演した明治大学の人気教授、堀田秀吾さんが、「どうすればすぐに行動できるのか?」を考察しながら、科学的に行動力を上げる方法を集めた書籍『世界最先端の研究が導き出した、「すぐやる」超習慣』を出版しました。
ここでは、本書から一部抜粋し再構成のうえ、誰でもできる「すぐやる」コツを3回にわたって紹介します(今回は2回目になります)。
1回目:研究で判明「移動中や旅先で仕事がはかどる」理由

まずはこんな会話からご紹介しましょう。

B「最近、太ったからやせたいなあ」
A「ダイエットするんだったら、定期的にジムに行ったりしたらいいんじゃない?」
B「でも、お金がかかりそうだから、もっとコスパよく、やせたいんだよね」
A「だったら、ジョギングがいいんじゃない? タダだし、場所も選ばないし」
B「う〜ん、走るのは嫌いでさぁ。あんまりモチベーションが上がらないなぁ」

Bさんのように自分のこだわり、好き嫌いや苦手意識がじゃまして、やる気が芽生えないという方もいるのではないでしょうか。

自分の好みと合致しないがゆえに、モチベーションが上がらず、トライする気にならない、そう考えてしまう人は少なくないと思います。ですが、物事の好き嫌いや苦手意識というのは、結局、自分が作り出したバイアスにすぎないことがほとんどです。実際、好き嫌いとモチベーションにはあまり関係がないといわれています。

タスクの好き嫌いより手応え

デューク大学、行動経済学者のダン・アリエリーは、モチベーションのある仕事に対して、あえて意図的にやる気を失わせる実験を行っています。

「シジフォス実験」と銘打たれたこの実験は、レゴが大好きな被験者を対象に行われました。内容は、レゴを組み立ててものをつくるように指示し、完成したら被験者の目の前で成果物を解体する。そしてそれを何度も繰り返し、どのタイミングで被験者がやる気を失うかを調べたというものです。まるで賽(さい)の河原のような光景ですね。

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