「子どもは作らない」と決めて結婚した2人の本心 一度目の結婚の教訓をいかす人たちに学ぶこと

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順一さんのほうも「僕も大学生になったら一人暮らしをして親から大人扱いをされました。妻の娘と会いたくないわけではありませんが、今さらパパにはなれません」と淡々とした対応。

コロナ禍の影響もあって、広子さんの両親とも数えるほどしか会っていない。それでも彼らからの評価は「すごくいい」とのこと。

「1人で実家に寄ることがあると、親から『順一さんによろしくね』と帰りがけに必ず言われます」

前夫への評価が最低に近かったため、順一さんは特に何もしなくても相対的な好評価を得られるのだ。離婚経験がある人と結婚するメリットの1つだと言える。

今、順一さんは在宅勤務が中心で月に一度程度しか出社していない。広子さんは平日は毎日会社に通っていることもあり、家事の大半を順一さんが担っている。最初の結婚では考えられなかったような夫ぶりだ。そのことは広子さんも見抜いている。

「今のタイミングで結婚したからこそ、順一さんは積極的に家事をしてくれているのだと思います。いろいろ経験する前の彼だったら何もしなかったはずです」

一度財産を失った経験がある順一さんの最終目標

共同財布への出資額は1:4にさせてもらいつつ、娘の学費を払い続けている広子さん。今後も2人で豊かに暮らすためには本業に加えて副業を始めて稼ぎたいぐらいだ。仕事を辞めるという選択肢はない。

一度財産を失った経験がある順一さんの最終目標は、自分が死んだときに愛する広子さんにいくばくかの財産を遺すこと。だから、2人とも「子どもは作らない」で意見が一致している。

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「順一さんとの子どもだったら顔を見たかった気はします。でも、私は子どもに集中してしまって旦那さんに関心が向かなくなるタイプです。よく考えるとひどい話ですよね……。だから、今の2人暮らしを続けられることが私の幸せです」

若い頃の失敗を今さら訂正することはできない。しかし、その苦い経験を糧にして成長し、今度は適切な人間関係を築けることもある。

良くも悪くも軽さのある順一さんと広子さんの場合は、合わせて4度目の結婚によって有終の美を飾れるのかもしれない。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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