激増!学生インターンシップ戦線に異変アリ 就活後ろ倒しの余波はここにも!
早いうちに学生に接触しておきたいという企業の試みは学生にも概ね好評で、筆者が1月にインタビューした大学3年生(就職活動モニター)の多くが、夏以降、複数の企業のインターンシップに参加していた。「社会人と直接話せて刺激になった」「同じ業界を志望する学生と知り合えてよかった」など、感想はおおむね好意的だ。中には参加したインターンシップ(企業)ごとにLINEでグループを作り、他大学の学生と情報交換をしているという学生も何名か見られた。
ガラパゴス化した日本のインターンシップ
さて、ここまで「インターンシップ」という言葉を使ってきたが、実は日本のインターンシップは「日本版インターンシップ」ともいうべきもので、実は海外で広く行われているものとは意味合いが異なっている。
まず、日本のインターンシップは1週間程度のものが多く、長くても2~3週間、短い場合は1日である。秋冬の実施が今年急増したことは先に述べたが、企業学生双方に負担が少ない「1Day」と呼ばれる1日間のものも多く見られた。
これに対し、インターンシップ発祥の地アメリカでは2~3カ月が一般的で、中には半年や1年に及ぶものも珍しくない。
異なるのは期間だけではない。長期であれば実際に社員に近い業務を行うことで、スキル・経験を身に付けることができる。つまり職業訓練として機能するが、日本のように短期間でできるものとなると、職場見学やビジネスゲーム(グループワーク)、出された課題にチームで取り組むといった内容にならざるを得ない。体験した人ならわかると思うが、実習生や研修生というより、お客様的な雰囲気が漂っていたのではないだろうか。
では、このような短期間、かつ、職場見学やちょっとした仕事体験のプログラムは諸外国にはないのかというと、そんなことはなく、アメリカで「エクスターンシップ」と呼ばれているものがとても近い。
インターンシップとエクスターンシップの特徴は図のとおり。「日本版インターンシップ」は、内容・実施期間・報酬の面でエクスターンシップに驚くほど似ている。異なるのは、対象が低学年(大学1~2年生)ではないという点と、採用を意識して実施されるケースが大半だという点だ。
「日本版インターンシップ」は、海外のように適性があると判断されればそのまま採用となる「採用直結型」ではないものの(採用に結び付けないよう、文部科学省や日本経団連などから求められている)、それでも採用を意識して行われていることは明らかだ。
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