激増!学生インターンシップ戦線に異変アリ

就活後ろ倒しの余波はここにも!

ほとんどの企業でインターンシップの募集や運営は人事部(もっと言えば採用課)が行い、学年を問わない募集であっても、参加者の多くは就職活動を控えた3年生だ。海外で言うところのインターンシップとエクスターンシップが入れ子になった状態で、採用を意識した上でのエクスターンシップ=日本版インターンシップと言える。インターンシップもケータイのようにいつの間にかガラパゴス化してしまっていたのだ。

余談だが、我々のような採用の業界では、「1dayは果たしてインターンシップと呼べるのか」という議論がしばしば持ち上がる。しかし、経団連が最小限の日数として会員企業に求める「5日間」ですら、世界標準ではインターンシップとは言えないのが実状なのだ。

「インターンシップ」の本来あるべき姿とは

ここで誤解してほしくないのは、日本版インターンシップがダメと言っているのではない、ということだ。

今回インタビューした学生らも、2社3社は当たり前で、平均すると5社程度と、実に多くのインターンシップに参加していた。中には半日や2時間(!)という超短期間のものに出た学生もいる。しかし、短いからダメとか行く意味がないとは思わない。期間が短くても十分有益なケースもありうる。

例えばアクチュアリー志望の理系学生は、保険会社ばかり何社ものインターンシップ(5日間を2社、短期間を3社)に参加することで、アクチュアリーの仕事内容について知れたばかりでなく、各社の社風の違いや自分との相性のようなものを感じ取ることができたという。

また、ある会社の1dayに参加した別の学生は、「営業体感型というプログラムで、行ってみたらひたすら人を説得するロールプレイングだった」と話す。他の参加者に見劣りしないよう頑張ったが、思うような成果が残せず営業の大変さを実感したという。「この会社は自分には無理だな。新規開拓の仕事には向いていないかもしれない」と適職を考えるきっかけになったと振り返る。一方で、彼の周囲には、達成感ややりがいを感じてその会社の志望度が上がったと話す学生も大勢いたという。

要するに有益であるかどうかの肝は、学生側からすれば「その仕事や会社が自分にフィットするかどうかを見極める『リトマス試験紙』として機能しているか」であり、「自分はやれそうかな」と学生自身が判断できることが大切だ。一方、企業側からすれば、自社にフィットする人材かどうかを見極められる場にしたいはずだ。

「就職より就社」と言われる日本では、インターンシップのゴールは企業、学生ともに「フィットするか」の見極めの場として機能することではないだろうか。その意味で、先の営業体感プログラムは、学生企業双方にとってのリトマス試験紙の好例と言える。

次ページ学生、企業側ともに有益な場にするには
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