河野太郎デジタル相「古いやり方の規制を外す」 マイナンバーカードは「世の中便利になる、が王道」
橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):この4000条項すべてを精査できているわけではないが、見る限り議会関係のアナログを改正、規制改革するようなルールが入っていない。議会、国会、町議会もそうだが、予算書などは紙で出さなければいけないことになっているから、地方議会では山のような予算書を全議員に渡すべく机の上に置いている。野党が求める予算修正に役所側がなかなか応じないのは、予算書の修正が大変だから。とにかく修正は困るという意識だ。民間に範を示すためにもまずは議会関係の書類をデジタル化していく。今はフロッピーどころか紙だから。消費者庁の所管でないにしても、デジタル化ということであれば、勧告権を用い、政治・行政の、とくに議会関係のアナログをぜひ改めてほしい。
行政、司法、議会も積極的にデジタル化を
松山キャスター:デジタル相には関係機関に対して勧告権がある。例えば、政府全体のシステム統一の方針などで勧告する権限があるが、牧島前大臣のときは一度も行使されていない。勧告権を行使する考えはあるか。
河野氏:デジタル庁からほかの役所にこういうことをやってくださいというのは、積極的に申し上げていこうと思っている。法律の権限としてあるならば、積極的に使うのが当然だ。ただ、行政に対するのとは違い、立法と司法、国会や議会、裁判所も結構遅れているところがあるが、ここに対してはなかなかデジタル庁から「ああせい、こうせい」とは言えない。しかし、私は国家公務員制度担当相も兼務していて、人事院総裁から行政の仕事のやり方として、国会との関係についてきちんと調査をしてほしいという話もあったので、そこは国会の理解をいただきながら進めていかないといけないかなと思っている。現実に分厚い予算書や決算書を各議員の部屋に配る、今まではもっとさまざまな書類があったが、最近はだいぶそれを減らす了解をいただきながらやってきたので、立法府、司法との関係についてもデジタル化の進められるところはどんどん進めていきたい。自治体でも議会との関係でデジタル化が進むようにやっていきたい。
松山キャスター:デジタル庁が強力に進めているマイナンバーカードの普及促進だが、河野大臣は8月30日の記者会見で今年度中にマイナンバーカードの機能をスマートフォンに搭載する意向を表明した。現在のマイナンバーカード普及率は全国で45.9%と、年度内にほぼ全国民に普及させるのはなかなか厳しい状況だが、機能をスマホに搭載すればカードの普及率は上がると考えるのか。
河野氏:機能をスマホに搭載するにしても、一度マイナンバーカードを発行しなければいけない。それをスマホに読み込ませて搭載をするという手順は残る。まずはマイナンバーカードをきちんと発行しなければいけないが、スマホにマイナンバーカード機能が搭載されていると、スマホだけ持って、例えば、今チケットの高額転売みたいな話があるが、個人認証でこれは河野太郎さんに売ったチケットだと。マイナカードの個人認証機能を使ってゲートに入るときにスマホをかざせば入れるというようなことも可能になる。いろいろな使い方ができる。今はいちいちマイナンバーカードを出す、あるいは、マイナンバーカードをスマホに読み込ませ、そのときに4桁の暗証番号を入力するというようなことをやっているが、機能をスマホに搭載すると、スマホの顔認証で本人認証をしていろいろなことができるようになる。利便性は格段に上がる。