河野太郎デジタル相「古いやり方の規制を外す」 マイナンバーカードは「世の中便利になる、が王道」
霞が関のデジタル化を一身に背負うデジタル庁
河野氏は「デジタル庁からほかの役所にこういうことをやってくださいというのは、積極的に申し上げていく。法律の権限としてあるのならば、積極的に使うのが当然だ」と述べた。
「勧告権」は、デジタル化の総合調整機能を持つデジタル庁が各省庁に対し、システム整備の関連予算や事業内容を指示することができる、いわば「伝家の宝刀」だ。
新型コロナ禍で露呈した行政のデジタル化の遅れに危機感を抱いた菅義偉首相(当時)が霞が関の縦割打破を目指し、デジタル庁を首相をトップとする直轄組織と位置づけ、司令塔としての強い権限を与えた。
しかし、各省庁のほうが政策に詳しく、抵抗も強く、河野氏の前任の牧島かれん前大臣が伝家の宝刀を抜くことはなかった。
デジタル化をさぼってきた霞が関の負債をデジタル庁が一身に背負う中、河野大臣の突破力と発信力が期待されている。
一方、河野氏は、マイナンバーカードの普及策「マイナポイント」に関し、「若干邪道なところがある」と指摘。マイナンバーカード機能をスマートフォンに搭載して、コンサートの電子チケットや運転免許証などとひも付けることで、「生活がこんなに便利になるよ。それはいいね、みんなでやろうよ、というのが王道だ」と述べ、生活利便性を向上させることでカードの普及を目指す考えを強調した。