PTAでいちばん大変!"役員決め"の舞台裏 知られざる要職“PTAハンター”の悲鳴

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せっかく選んだのに却下されることも

が、話を聞いているうちに、そう単純な仕組みではないこともわかってきました。選考委員がやっと引き受けてくれる人を見つけても、現役員から却下されるケースもあるというのです。

Cさん:そもそも名前が挙がった全員に声をかけるわけではありません。言い方はアレですが、人間的にちょっとまずそうな人は候補から外します。本部の仕事はみんなで協力しないとできないから、協調性がない人が入ってくると、こちら(次年度も残る役員)が大変になるので。

Aさん:私は前会長さんに「自分から『やりたい』という人には注意して」と言われました(笑)。これまでなにか委員をやってきて「やりたい」という人ならいいのですが、経験ゼロで何もわからないまま「やってみたい!」という人は危険だから、そういう人に任せてはだめだよ、と(注:母親を前提とした話です。父親の場合は、委員をいっさい経験せず最初から役員になることも少なくありません)。

Cさん:それはありますよね。だから、本部の仕事をある程度知っている運営委員から、次期役員を選ぶことが多くなります。

Bさん:やっぱり、そういうのがあるのですね。わたしも、クラス中の保護者に連絡をとって、やっとひとり引き受けてくれそうな人を見つけたのですが、来年度も残る役員さんたちから「その方は、ちょっと……」と、却下されてしまいました(苦笑)。校長も「うーん……」という感じ。やる気があれば誰でもいい、というわけではないんですね。こちらは「せっかくやると言ってくれた人を、どう断ればいいの!?」と思って、すごく困りましたが……。

Aさん:それは大変でしたね。でも役員さんたちの気持ちはわかります。私が会長をやったとき、選考委員が私たちにいっさい候補者を相談せずに、「(次期役員が)7人決まりました!」とリストを持ってきたことがあるのですが、全員経験ゼロの人だったので、教頭先生と2人で頭を抱えました。やっぱり、ある程度、仕事をわかっている人でないと、仕事が引き継げないですし……。

選考のウラでは、このように現役員(来年も残る人)による人選も行われていることが明らかになったのです。ひ~、恐ろしい。もし自分が立候補した側だとして、そんなふうにウラで却下されていたらショックですよね。

でも逆に、もし自分が役員をやっている側だとしたら、やはり「やりにくい人は避けたい」と思うかもしれません。PTAはボランティアですし、特に本部役員は多忙なので、「せめて、やりやすい人と一緒に気持ちよく活動したい」と考えるのもわかります。

選考委員がないPTAもある!

こういったややこしい話になるのであれば、やはり「選考委員」などを挟まず、現役員が直接後任を探すほうがよいのではないでしょうか? 「われわれ(現役員)が選んだ人に声をかけます」と公言しておいたほうが、みんなにもわかりやすいですし、声をかけられたほうも気持ちがいいはずです。

選考委員があると、一般の保護者からは役員をどうやって決めているのかわかりづらいですし、あとで本部役員から人選を却下されるのであれば、選考委員の人たちも骨折り損になってしまいます。

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