コンビニと犯罪の切っても切れない関係 意外に重要な市民を守る役割

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
拡大
縮小
ストーカーや痴漢被害などからの駆け込み寺にもなっているコンビニ

24時間営業の代名詞といえばコンビニエンスストア。どんなに夜遅くても、朝早くてもいつも開いている。セブン-イレブン(約1万7000店)、ローソン(約1万2000店)、ファミリーマート(約1万1000店)の3強を軸に、全国に約5万5000店(2015年2月現在、すべてが24時間営業ではないが)を構え、年間9兆円とされる市場規模に育った。このコンビニのビジネスモデルが成り立つのは、日本が世界の中でみても治安の良さに優れた国であることは要素のひとつと言える。

そうは言っても昼夜を問わず営業するコンビニと犯罪は、切っても切れない関係にある。いちいち大きく報道されることは少ないものの、セブンやローソン、ファミマなど身近なコンビニではさまざまなことが起きている。その知られざる裏側をのぞいてみよう。日本に欠かせないインフラとしての顔を表しているともいえるし、あるいはコンビニオーナーの苦労、そして日本の闇も教えてくれる。

その①駆け込み寺としてのコンビニ

画像を拡大
コンビニエンスストアが保護した人数(出典:コンビニエンスストアセーフティステーション活動リポートより/著者作成)

コンビニはつねにあかりが灯されている場所だ。近隣住民からすると、明るいことは必ずしも望ましくない。ただ、その「つねに誰かがいる」ことは、時として人を救う場にもなる。

2万4927人。これは2013年度にコンビニが「保護した」人の数だ(日本フランチャイズチェーン協会『コンビニエンスストア・セーフティステーション活動リポート』平成25年度版より)。内訳を見ると、女性8641人、子供3641人、高齢者1万2645人となっている。

次ページストーカー、痴漢被害の避難場所に
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT