コンビニと犯罪の切っても切れない関係 意外に重要な市民を守る役割

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高齢者は徘回やケガなどもあるため必ずしも避難には当たらないものの、女性は「ストーカー」「見知らぬ人からの声かけ」「暴力」「痴漢」など、犯罪の危険から逃れるために駆け込んできた例が多い。子供は迷子が多い一方で、「見知らぬ人からの声かけ」「痴漢」などの理由も見受けられる。

このリポートは毎年度ぴったり同じ店舗数が調査に回答していないため、全体の実態を厳密に表現するものではない。ただ、概要を把握するには十分なデータと思われる。過去のデータとも比較して見ると女性、子供、高齢者ともにコンビニが保護した人の数は毎年ほぼ横ばいで推移している。

この数はコンビニが認知した件数であることにも着目したい。子供たちは携帯電話を持っている。コンビニに逃げ込んだあとに店員には相談せず、そこから親や知人に電話をして助けを求めたケースがあるだろう。もちろん女性の場合も同じだ。

その②:コンビニでの犯罪実態

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コンビニでの万引被害率はほぼ横ばい(出典:コンビニエンスストアセーフティステーション活動リポートより/著者作成)

万引の被害も予想以上(かどうかは読者に任せるが)に多い。被害率は8割前後で推移している。

2013年度の万引被害率(店舗数に対する被害店舗の割合)のうち率が高いものを見ると、
小学生以下…16.4%
中学生…16.8%
50~65歳…13.7%

と続く『コンビニエンスストア・セーフティステーション活動リポート』参照

しかし、中学生は年齢幅が3歳、小学生以下は約10歳(さすがに2歳で万引はできないと見て3歳以上と予測)、50~65歳は年齢幅が16歳での話なので、その幅がもっとも小さい中学生の万引きが、実態としてはいちばん多いと推測できる。なお、この傾向は年度によってもさほど変化しない。

コンビニの万引による被害総額についての、統計データは見つけることができなかった。ただ、3年ほど前に筆者がコンビニ業界関係者から聞いた話では、コンビニ1店舗あたりの被害額は1日につき1000~1500円ぐらいとのことだった。コンビニの粗利益率は3割程度が平均なので、3000~5000円分の商品売り上げをロスしている計算となる。

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