セブングループ、”弱点”が目立ち始めた コンビニ事業は揺るぎない強さだが・・・
コンビニ業界首位、セブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン)の強さは相変わらずだ。1月上旬に出揃った各社の第3四半期(2014年3~11月)の既存店売上高は、セブンが前年同期比2.4%増、ローソン、ファミリーマートはそれぞれ1.4%減、1.5%減だった。各社の積極的な出店によるシェア争いの激化や、消費増税の影響がある中、セブンだけが既存店のプラス基調を維持している。
コンビニと金融以外は足踏み
ただ、グループ全体でみると安泰とはいえない。セブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイHD)の第3四半期決算では、売上高に相当する営業収益が7.5%の増収だったものの、利益はほぼ横ばいに止まった(通期の営業利益は4.8%増の計画)。
収益の内訳をみると、コンビニ事業とセブン銀行を中心とした金融事業が順調で、この2つが営業利益の大部分を稼ぎ出している。しかしスーパー事業の中核であるイトーヨーカ堂は赤字。百貨店のそごう・西武や、人手不足による人件費高騰が重荷となっている外食事業(セブン&アイ・フードシステムズ)も苦戦している。いずれも通年計画と比べて、業績の進捗率は芳しくない。
特にイトーヨーカ堂は2014年3~5月の第1四半期こそ増益だったが、第2四半期以降は営業赤字が続き、第3四半期累計では単体ベースで25億円の営業赤字(前年同期は37億円の黒字)。期中ながら赤字に転落するのは4年ぶりだ。
ライバルのイオンは、総合スーパー事業で第3四半期に289億円の営業赤字(前年同期は247億円の営業赤字)を計上しており、この苦境ぶりと比べれば”傷”は浅い。だが、イトーヨーカ堂は通期で130億円(前期比15%増)の営業黒字を計画しており、予想に反して業績不振にあえいでいることは間違いない。
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